コピーですぐに使える!ChatGPT100選 職種別・業種別・部署別#8Photo:PIXTA

化学メーカーで、最も難しい問題は「既存製品の新規用途の発見」と「その実現に必要な材料の開発」である。新規用途を実現するためにどんな化学物質を用意すべきか、複数の化学物質をどう結合させるべきか、結合させるのに必要な触媒として何があるのか。特集『コピーですぐに使える!ChatGPT100選 職種別・業種別・部署別』(全30回)の#8では、それらを探るためのChatGPT例文(プロンプト)を、三井化学に特別に伝授してもらった。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

時間がかかった「新規用途の発見」
GPT活用でスピードを一気に改善!

 今年4月、三井化学と日本アイ・ビー・エムは、既存の化学製品の新規用途発見のスピードを“爆速化”するためにChatGPTを活用し始めた。生成AI(人工知能)の一つであるGPTと、米IBMのAIであるIBM Watsonを融合させ利用。用途発見の所用時間の短縮と精度を高めるための実証実験を開始したのだ。

 従来、三井化学の20以上の事業部門がIBM Watsonを実際に用いて100以上の新規用途を発見し、一定の成果を上げてはいた。だが、発見するのに時間がかかり過ぎていた。

 そこで、時間短縮のためにChatGPTを活用しようというわけだ。具体的には、特許やニュース、SNS(交流サイト)といったテキストデータから新規用途の候補を生成する。

 今回の実験の特徴は、新規用途を導き出した根拠や外部環境要因まで明らかにする点。その結果、探索の精度とスピードがさらに向上し、新規用途の発見数が増えるという。また、用途の発見だけではなく、必要な材料の開発についてもChatGPTを活用している。実験の成果は、三井化学の主力事業であるモビリティソリューション(自動車関連)事業などに生かす計画だ。

 次ページでは、三井化学にChatGPTの具体的な例文(プロンプト)を特別に教えてもらった。