定年前後の決断で、人生の手取りは2000万円以上変わる!マネージャーナリストでもある税理士の板倉京氏が著し、「わかりやすい」「本当に得をした!」と大人気になった書籍が、2024年の制度改正に合わせ改訂&パワーアップ!「知らないと大損する!定年前後のお金の正解 改訂版」として発売されました。本連載では、本書から抜粋して、定年前後に陥りがちな「落とし穴」や知っているだけでトクするポイントを紹介していきます。

定年後、「個人事業主」になりたい人が気をつけるべき大損ポイントphoto:Adobe Stock

退職後、「開業届」を税務署に出すと失業手当はもらえないので要注意

 前回、定年退職後に「個人事業主」になることは、たとえその事業で儲からなくてもメリットが大きいというお話をしました。ただし、失業手当をもらおうと思っている人は要注意です。退職後すぐに個人事業を始めると、たとえ“開店休業状態”でも失業手当はもらえません。

 失業手当とは「仕事を探している人を助ける仕組み」ですから、自分で事業をやると決めた人はもらえないのです。

 個人事業をやると決めているかどうかは、「個人事業を開業します」とハローワークに申告するか、税務署に「個人事業の開業届出書」を出しているかで判断されます。

 では、個人事業を始めようと考えている人は、絶対に失業手当をもらうことはできないのか、といえばそうではありません。

「失業手当をもらいながら就職先を探して、良いところがあれば就職する。でも、個人事業主として働くということも選択肢として考えている」という方は、受給資格がありますし、そのことを隠す必要もありません。

 逆に、「個人事業主として開業することも考えてはいる」ということを伝えておくことで、もし開業した場合の手続きなどを親切に教えてもらえることもあるようです。

 会社員時代ずっと雇用保険料を払い続けていたのですから、失業手当をしっかりもらいながら「本当に個人事業でやっていけるかを考えてみる」のもいいかもしれません。

*本記事は「知らないと大損する!定年前後のお金の正解 改訂版」から、抜粋・編集したものです。