2016年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの奇跡』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ありがとうの奇跡Photo: Adobe Stock

「愚痴や泣き言」で面倒な現象に見舞われるようだ

 会社の倒産、リストラ、病気、交通事故などに見舞われて、「自分は運が悪い」と思ったことが、誰にでもあるかもしれません。しかし、それは狭い考え方です。

 どうやら宇宙は、「この人は、すごくおもしろい人だから『特別な幸せ』を与えよう」と思って、一般的に「苦労・不幸・挫折」と呼ばれているものを与えているようです。

 時計の振り子を使って、説明しましょう。

 今、振り子が「6時」(一番下)の位置にあるとして、それを9時(左横)の位置に持って行こうとするとき、宇宙は、どのようにすると思いますか?

 反対方向の3時(右横)の位置まで持っていき、そこで手を放すのです。すると振り子は6時をすぎて9時の位置まで行きます。

 はじめの「6時から3時まで引っ張られている状態」が、いわゆる一般的に「苦労・不幸・挫折」と呼ばれているものです。

 この状態のときに、「不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句」を口にしないかどうかを、宇宙から問われています。

 6時の位置にある振り子を「5時」まで引っ張っても、「7時」までしかいきません。

 つまり、大きく引っ張るほど、その分と同じ大きさのエネルギーをいただくことになります。

 ですから、「苦労の多い人生じゃないか!」と、論評や評価をする必要はありません。

 「不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句」を言わなければ、それと同じ大きさの「ご褒美」が待っているからです。

 40年間、人間観察をしてきましたが、「愚痴や泣き言」の多い人ほど、面倒な現象に見舞われている気がします。

 「こんなに大変なことがあって苦労ばかりなので、感謝なんてできない」と言う人がいますが、それは逆です。

 「つらい」「悲しい」と不平ばかり言っている人には、宇宙は支援してくれません。愚痴や泣き言を言っているから、そういう現象が起こるのが、「宇宙の構造」のようです。

 目の前の現象を喜んだり、おもしろがったりして笑顔で暮らしていると、神様は「もっと喜ばせよう」として、「さらに笑顔になるような出来事」を起こしてくれます。

 「今までと現象は変わらなくても、愚痴や泣き言を言うのはやめよう」と決意し、実践した人たちが私のまわりにはたくさんいます。

 おもしろいことに、言うのをやめたところから、「笑顔になるような出来事」が起きはじめています。

 臨死体験の経験がある人たちの話によると、肉体が死んであの世に行くとき、私たちは神様から、「あなたはどれだけ人生を楽しんできたか?」を問われるのだそうです。

 私たちが今、この世に生きているのは、魂が「体という着ぐるみ」を着ている状態のようです。

 体を維持するためには、食べたり、飲んだり、寝たりしなければいけませんし、管理するのは、意外と手間がかかります。

 しかし、肉体の制約があるからこそ、味わえる楽しみもあります。

 人と握手をしたり、抱き合ったり、食事のおいしさを感じたり、病気をすることで人のあたたかさや優しさを感じることもできます。

 私たちは、「肉体を持って生きること」と、「魂だけで生きること」の両方を味わうことはできません。どちらがよいかは比べられないし、考える意味もないでしょう。

 それならば、「今生」は今生でしか体験できないことをすべて味わい、自分の存在がまわりから喜ばれるように、思い切り楽しんで生きることにしませんか?