他の証券会社の口座に移管すると、源泉徴収されない一般口座になることもある?

 証券口座には、自動的に利益から所得税等を源泉徴収してもらえる「特定口座」と、源泉徴収されずに、投資家自身が1年間の売買損益を計算して確定申告をする必要のある「一般口座」の2種類があります。一般的には、管理が楽な特定口座を選ばれる方がほとんどです。

 故人のC証券会社の特定口座から、相続人のD証券会社の特定口座へ株式を移管する方法も、原則的には、一度相続人がC証券の特定口座を開設し、故人の株式等の移管を済ませてから、ご自身のD証券の特定口座に移管する形となります。ただし、証券会社によっては直接、別の証券会社の特定口座に移管できる場合もあります。

知らないと絶対損をすること

 なお、株券電子化の際に証券会社に預け入れをしなかった株式や、従業員持株会で継続的に発行を受けていた株式等で、その株式を取得した価格が明確でないものは、特定口座に入れることはできません。この場合は、源泉徴収されない一般口座に移管され、「5%ルール(購入金額がわからなくなってしまった場合、売った金額の5%を購入金額とみなして譲渡所得の計算をしなければいけないというルール)」が適用され、税負担が非常に重くなってしまうので、注意しましょう。

(本原稿は、橘慶太著『ぶっちゃけ相続「手続大全」』を抜粋・一部加筆したものです)