EV充電ゴールドラッシュ#5Photo:simonkr/gettyimages, PIXTA

EV(電気自動車)普及で欧米に後れを取った日本。充電インフラでも欧米に比べ「出遅れ」や「迷走」が目立つとの指摘が、EV充電インフラ業界の内外から上がる。特集『EV充電ゴールドラッシュ』(全8回)の#5では、近年の国内電力大手の不祥事にも物申してきたEV充電インフラ設置事業者、ENECHANGE(エネチェンジ)の“国際派CEO(最高経営責任者)”が、巻き返し策を大提言する。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

電力業界に物申すENECHANGEが
EV充電インフラ業界にも大提言

 関西電力など大手電力4社が絡んだとされる巨額カルテル事件、送配電会社による新電力の顧客情報漏洩など、不祥事が相次ぎ、電力業界がざわついた2023年前半。ある電力系ベンチャーが、大手電力への厳罰や電力・ガス取引監視等委員会の調査権限強化を求める意見書を国へ提出し、話題を呼んだ。

 電力・ガスの契約切り替えを支援するビジネスを手掛ける、ENECHANGE(エネチェンジ)である。

 同社は7月にも、内外無差別(大手電力会社が、自らの発電部門と小売り部門の間の社内取引に比べ、新電力への卸取引を不利に扱わないこと)のガイドラインおよび法制度化などを柱とした「未来志向の電力システム改革」を提言した。

 21年からEV(電気自動車)充電インフラ設置事業も手掛ける同社は、英国在住の城口洋平CEO(最高経営責任者)が日本のEV充電インフラについてもグローバルな視点から提言している。中身は世界の潮流、日本の産業政策、EV充電インフラの業界再編など、多角的に考慮されたものだ。

 城口CEOへの単独インタビューを基に、出遅れた日本のEV充電インフラの巻き返し策ともいうべき提言の中身を、次ページから明らかにしていく。