国内コンビニ大手3強の中で、実はファミリーマートのEV急速充電拠点数が、セブンイレブンやローソンと比べて圧倒的に多い。ファミマは今年、米テスラのEV急速充電器、スーパーチャージャーもコンビニとしては初めて設置し始めた。特集『EV充電ゴールドラッシュ』(全8回)の#6では、テスラとタッグを組んだファミマの狙いを探る。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
コンビニの進化の歴史に
EV充電インフラも刻まれるか
マルチコピー機、ATM、住民票取得、テークアウトコーヒー……。
全国津々浦々にあるコンビニエンスストアは客を呼び込もうと、これまでにさまざまなサービスを進化させてきた。
2022年は「EV元年」といわれ、電気自動車(EV)がやっと日本でも普及期に入ろうとしている。いよいよEV充電インフラの設置もコンビニの進化の代表例として、人々の脳裏に刻まれるのかもしれない。
この分野でコンビニ大手3社中、断トツに設置を進めているのが、ファミリーマート(ファミマ)である。設置店舗数は600店余りに達する(次ページでセブンイレブンとローソンとの比較表を掲載)。EV急速充電器の設置箇所数でも、国内の流通・小売業界において国内トップだという。
そのファミマが6月、米テスラとタッグを組み、テスラのEV急速充電器「スーパーチャージャー」を埼玉県所沢市の店舗に設置した。国内コンビニでスーパーチャージャーの設置は初めて。ファミマでは、24年2月までにこの店舗を含めて計7店にスーパーチャージャーを置く計画だ。
やっと普及期に入りつつあるとはいえ、EV普及率は22年で0.6%(プラグインハイブリッド車を含む)にとどまり、まだまだ街中で走るEVは少ない。それでもファミマはなぜEV充電インフラの分野でぶっちぎっているのか。そしてテスラと組んだ意図は。次ページでは、ファミマの今後の狙いを明らかにする。