あなたの周囲には、ボケるのが好きな人はいないだろうか。面白いならまだいいが、困るのはそのボケがイマイチなとき。どんなリアクションをしていいかわからなくて、つい苦笑いで誤魔化してしまう。うまく返せないと相手に「冷たいやつだな」と思われるかもしれない……。そんな悩みを抱えている人におすすめなのが、元芸人でネタ作家の芝山大補氏の著書『おもろい話し方 ~芸人だけが知っているウケる会話の法則』だ。本記事では、本書の内容をもとに「どうしたらボケにうまく返せるのか」をご紹介する。(構成:神代裕子)
放置しづらいボケへの対処法とは
サービス精神が強い人は、ちょくちょくボケを入れたがる。
大変なのは、ボケを振られた方だ。面白ければ素直に笑えばいいが、そうではない場合は困ったことになる。
長い付き合いの友達なら冷たく返しても許されるかもしれないが、上司や先輩だったりするとむげにもできず、乾いた笑いで「ハハハ……」とやり過ごすのが精いっぱい。「なんと返すのが正解か」と頭をフル回転する羽目になる。
一体、どのようなリアクションをすれば「正解」なのだろうか。
相手のボケを殺さない! 5つの返し
本書では、そんなボケにうまく返す方法を紹介している。それは次の5つだ。
②ボケをすかす
③すべったことにしてイジる
④「反応に困る」と正直に伝える
⑤まわりに助けを求める(P.77)
ただし、ここで気をつけたいのは、「自分や相手のキャラ、状況に応じて1つ選ぶ」ことだ。
自分のキャラや状況に合ったものさえ選べば、ほぼ間違いなく切り抜けられるそうなので、ぜひ身につけておきたい。
では、それぞれの返しを具体的に紹介していこう。
①ボケに乗っかる
どんな人でも使いやすい「ノリボケ」
相手のボケにツッコまず、あえて乗っかる返し方。いわゆる「ノリボケ」。
相手のボケに乗っかるだけなので、ツッコミキャラの人ではなくても使いやすい
「おれって頭いいからな~」
「ほんとですよね。エジソンの生まれ変わりかと思いましたもん」(P.78)
②ボケをすかす
あからさまなスルーで無言のツッコミ
あえてボケをすかす(スルーする)ことで、相手がすべったように仕立てて「無視するな!」「おい!」とツッコませる方法。
相手がしっかりツッコんでくるタイプの場合が良い
「おれって天才だからな~」
「……いやあ、それにしても今日は天気ええなあ」(P.80)
大事なのは、シンプルに「無視した」と捉えられないよう、“あえて”スルーしたとわかるようにすること。
わざとらしい言い方をしたり、明らかに関係のない話題にしたり、意味深な間を空けたりするのがコツ。
③すべったことにしてイジる
ボケがすべったときの助け舟にも
ボケた相手がすべった感じになった際に、それをイジる方法。
ボケたのにまわりからリアクションがない、もしくは静かに苦笑が起きているとき。また、相手がツッコんでくれるようなタイプの場合に特に有効
・今のもう10回言ってもらえます?
・今のボケの反省文、あとで提出してくださいね
・うわぁ~、今のボケで具合悪くなったわ~
・お、今日も仕上がってますね!(P.82)
④「反応に困る」と正直に伝える
素直な反応がツッコミに
笑いより驚きが勝って、リアクションに困る場合は正直に「リアクションに困る」「笑いより驚きが勝る」と伝えるのも手。
「突然すぎるボケ」「体を張ったボケ(急にコケるなど)」「無茶をするボケ(わさびを食べるなど)」など、見ている側が戸惑うボケを振られたとき
・いやいや、リアクションに困りますから!
・笑いよりも、心配が勝つわ!
・これ、なんて言ったら正解なんですか?(P.84)
⑤まわりに助けを求める
まわりを巻き込む方法
ボケられて困ったとき、下ネタなど反応に困るボケが来たときに、まわりに助けを求めて笑いを取る方法。
女性やシャイな人など、キャラ的にボケに乗っかっていいか困る場合
・○○さん、この人叱ってくれませんか!?
・だれかこの人、黙らせて
・ちょっとだれか、警察呼んで~(P.86)
知っていて損はない、コミュニケーション術
こうして例を見ていると、確かにボケに対して上手にツッコめる人はこれらの返しを巧みに使いこなしているなあと感じるのではないだろうか。
もちろん、これらのパターンで気軽に返せるかどうかは、相手と自分の関係性にも左右される。
しかし、ボケへの対応は日常的に起こることでもあるので「こんな返し方がある」と知っておいて損はない。
いつも乾いた笑いしか返せなくて、「気まずい雰囲気になっているなあ」「気の利いた返しができたらいいな」と感じている人であれば、1つでも覚えておくと役に立つはずだ。
あなたの返しから笑いが生まれ、和やかな空気を生み出すことができれば、ボケた人もうれしくなるだろう。
コミュニケーションを円滑にするための手段として、ぜひ上手に活用してほしい。