あそぶ研修におけるいちばんの強みは、なんといっても楽しいことです。例えば企業から非常に人気が高いチャンバラ合戦は相手の腕についたボールである「命」を、柔らかいスポンジの刀で打ち落とす数十人から1000人以上でも同時参加可能なあそびです。ボールが落ちるとその人は「討ち死に」つまり失格になり、戦場の外へ出なければなりません。また自分でボールを落としても「自害」となります。そうして最後に戦場に残った人数が多いチームの勝ちという、至ってシンプルな対戦型のあそびです。

大人でも夢中になってあそべるチャンバラ合戦大人でも夢中になってあそべるチャンバラ合戦

 このチャンバラ合戦、やってみると大人でも熱中します。相手のボールを攻めようと必死になるあまり、うっかり自分のボールを守ることを忘れて落としてしまい、「自害」してしまい本気で悔しがって叫んだり、じだんだを踏んだりする姿も珍しくありません。2戦目の前に各チームで戦略を話し合う「軍議」を行い、反省したりほかのチームと同盟を組むよう外交したりなど、1戦目の反省を活かして戦います。

 本気で興奮して集中して楽しんで、さらに反省して考えて改善して──といったように、参加者はあそびのなかでPDCA(編集部注:Plan計画→Do実行→Check評価→Action対策)を回していきます。全員やるのはほぼ初めて、かつチーム同士の戦いなので女性やベテランの方でも活躍できます。楽しいだけでなく多世代であそべる、学びがある、共有体験があるということが、飲み会や通常の社員旅行などのイベントとは違う点です。多くの旅行代理店でも販売され、年間150イベント以上を実施したこともある、大人気のチームビルディングゲームです。

書影『エンゲージメントを高める あそぶ社員研修のススメ』(幻冬舎メディアコンサルティング)『エンゲージメントを高める あそぶ社員研修のススメ』(幻冬舎メディアコンサルティング)
赤坂大樹 著

 私の会社が提供しているアクティビティには、体を使うまたは頭脳を使うゲーム、協力が必須だったりロジカルな思考が必要だったりと、多様な要素をもつゲームがそろいます。また、社会人基礎力や防災、SDGsなどの学びになる社会課題解決型のアクティビティなど、企業の課題を解決できる幅広いサービスを用意しています。有り難いことに実際に実施したクライアント企業の90%以上からコミュニケーションが活発化した、チームビルディングに役立っている、新入社員の定着率が良くなったという高評価のフィードバックを受けています。

 私は企業がもっとあそびをうまく活用して社内を活性化することができれば、社員の帰属意識が醸成されエンゲージメントの向上につなげることが可能だと考えています。