秋に向けてのダイエットに取り組む人にぜひ読んで欲しい1冊が『医者が教えるダイエット 最強の教科書』だ。著者は、生活習慣病の専門医・牧田善二氏。「食欲をガマンしない」「キツい運動はしない」「お酒を飲んでOK」などダイエットの常識が次々と覆される。本記事では、「ダイエットの疑問や悩み」について、牧田医師に答えてもらった。(取材:中村富美枝)
【悩み】ダイエットが続かず、結局リバウンドしてしまう
質問者:40代女性
――糖質制限を始めてすぐに体重が落ちたのですが、しばらくして減量のペースが落ちてくると、飽きてしまうせいか、ダイエットが長続きしません。ダイエットを長続きさせるためのコツがあれば知りたいです。
牧田医師:糖質制限の理論を理解している人は、たいてい一度は減量に成功します。
ちゃんと糖質をカットすれば、間違いなく体重は落ちますからね。
ですが、糖質制限を続けるのが難しくて、結局元に戻ってしまう人が本当に多いのです。
原因は、糖質制限ダイエットに飽きてしまうというよりも、脳が糖質を欲してしまうからです。
太っている人ほど「糖質中毒」が重症化している
牧田医師:「人間は糖質を食べたくてたまらない生き物」です。
みなさん、はじめのうちは「炭水化物や甘いものを抜くだけなら簡単だ」と思っています。
しかし、太っている人はすでに糖質中毒になっているため、どこかのタイミングで我慢ができなくなります。
とくに、ひどく太っている人は、糖質中毒も重症化しているので、継続が難しいのです。
私がいろいろな人にアドバイスを行ってきた経験から言っても、たとえば60キロの女性がダイエットするのは簡単ではありません。
ましてや70キロ、80キロでダイエットをスタートする人は、本当に大変です。それは本人の意思が弱いのではなく、糖質中毒がそれだけ深刻だからです。
まずは糖質中毒から抜け出そう
牧田医師:禁煙したい人は、禁煙を望んでいるはずなのに、ついつい吸ってしまいます。
「吸わなければいいだけだろう」というのは簡単ですが、中毒になっているからニコチンを摂らずにはいられないわけです。
太っている人は、それと同様の状態に置かれていると認識してください。
ニコチン中毒の人が本気で禁煙したいと思ったら、完全に吸わないことが必須です。「少しずつ減らして」とか「1本だけなら」というのはうまくいきません。
糖質中毒から抜け出したいなら、「少しずつ減らそう」ではなく「厳しく糖質を制限する」覚悟が必要。具体的には1日の糖質量を60g以下に抑えることです。
まずはそうやって糖質中毒から抜け出さない限り、「またダイエットが続かなかった」を繰り返すことになります。