健康保険証とマイナンバーカード写真は合成です Photo by Yoko.Suzuki

度重なるトラブルが報道されているマイナンバーカードと、それを保険証として使う「マイナ保険証」。既存の保険証が来年廃止となることもあり、政治的な混乱も含み反発を招いているが、実は「それでも」マイナ保険証を使うべき理由がある。連載『医療費の裏ワザと落とし穴』の第266回では、非難ごうごうのマイナ保険証を使うメリットと、万一トラブルになったときにも慌てない対処法を取り上げる。(フリーライター 早川幸子)

医療費を考えるとやはりマイナ保険証を使うほうが
おトクになる理由

 マイナ保険証に関する数々のトラブルが報告されている。

 これまでに報告されているトラブル内容は、カードや読み取り機械の不具合で資格確認ができなかったり、自己負担割合が間違っていたりしたというものだ。また、別の人の情報がひも付けされていたというケースもあった。

 トラブルに見舞われた人のなかには、その場では公的な医療保険(健康保険)が適用してもらえず、いったん医療費の全額(10割)を請求されたという人もいるようだ。

 こうした話を見聞きすると、「使っても大丈夫なのだろうか?」とマイナ保険証に不信感を抱く人が出てくるのも当然だろう。とりあえず登録はしたものの、利用するのをちゅうちょしている人もいるのではないだろうか。

 だが、少しでも節約したいなら、健康保険証ではなくマイナ保険証を使ったほうが医療費はお得になる。また、トラブルが明らかになったことで、マイナ保険証で資格確認ができなかった場合でも、健康保険の適用が受けられるようにする対応策も講じられてきている。

 そこで、今回はトラブルにあったときの注意点とともに、マイナ保険証をお得に使うための方法を考えてみたい。

●基準を満たした病院では、健康保険証を利用するよりも、初診時は40円、再診時は20円安くなる
●マイナ保険証カードリーダーの画面で「薬剤情報・特定健診情報」についての質問に、「同意する」と答える必要がある
●不具合で資格確認ができなかった場合は、「被保険者資格申立書」に記入して、医療機関の窓口に提出すればOK。スマホのマイナポータルサイトの資格情報画面や健康保険証での確認も可能