「いつか、子ども欲しい」けど、結婚していない。まだ、子どもは考えていない。婦人科に行くのはハードルが高い……という人が、正しい知識をもとに、今後「子どもが欲しい」と思ったとき、すぐに妊娠できる体に整えておくために、今すぐできること紹介した書籍『結婚していない。けど、いつか子どもが欲しい人が今できること』。38歳から不妊治療を経験した産婦人科専門医が、卵子と卵巣の老化を防ぎ、産める年齢を少しでも引き伸ばしておくために「やっておけばよかった!」と思うことを紹介しています。今回はそのなかから、子宮、卵巣、卵子の老化について紹介していきます。

老けるのは、子宮ではない

妊娠しにくい人の「子宮は老化しない」意外な理由photo Adobe Stock 

「子宮は歳をとらないけど、卵巣は歳をとるんだよ」

これは私が不妊治療に通っていた時、主治医の先生に言われた言葉です(私は38歳から2年間、不妊治療をしていました)。

子宮は、赤ちゃんの成長を守る場所。「子宮平滑筋」という、しなやかな筋肉でできている袋のようなシンプルな臓器なので、老化して機能が衰えるということはさほどありません。海外では、母親の子宮を娘に移植して出産に成功したという例もあるほどです。

一方、卵巣には「排卵」という機能がありますが、この機能は年齢に応じて低下していきます。これが、卵巣の老化です。さらには、卵巣の中に蓄えられている卵子も老化します。

誤解している人も多いですが、卵子は、排卵の度に新しく作られるものではなく、生まれた時から卵巣の中に貯蔵されているものです。そこから増えることは一切なく、ただ減り続けているのです。

ということは、卵子は自分と同じ年齢です。年齢を重ねて肌や髪が衰えていくのと同じように、卵子も年齢を重ねるほど質が落ち、元気がなくなっていってしまいまうのです。

けれど、多くの人は「子宮が老化するから、妊娠しにくくなる」と誤解しています。

実際、私の著書『結婚していない。けど、いつか子どもが欲しい人が今できること』の担当編集者も、最初は「子宮が若返る方法を教えてください!」と言っていましたから(笑)。

「妊娠のタイムリミット」を左右しているのは、子宮ではなく、卵巣と卵子の状態です。

『結婚していない。けど、いつか子どもが欲しい人が今できること』では、卵巣と卵子がなぜ老化するのか、食い止めるために何をすればいいのかなど、漠然と不安に思いながらも、多くの人が正しい知識を知らないことを多数紹介しています。「まだ大丈夫かな」と考えているうちに、卵巣や卵子はどんどん老化し、妊娠しにくい状態になっていってしまいます。正しい知識を得て、どうすれば「産める年齢」を少しでも引き延ばせるのか、卵巣と卵子をいい状態に保てるか、一緒に考えてみてくださいね。