その中心は軍部の若手であり、何度もクーデター計画を企画し、とうとう5・15事件や2・26事件を引き起したのですが、彼らが口ずさんだ歌が『昭和維新の歌』でした。当事者たちが、政策的には独裁的な政治と統制経済、つまりはファシズムに近い政治に憧れていたことは否めません。
維新の会に感じるのは
明治維新ではなく「昭和維新」
日本維新の会を見ていると、この「昭和維新」の空気を感じてしまうのです。それは、かつての党首・橋下徹氏の従軍慰安婦肯定論のような、わかなりやすいタカ派議論からだけではありません。
以下は、政治学者のローレンス・ブリット氏が「ファシズムの14の特徴」について列挙したものです。
1)強大で執拗な国家主義の宣伝
2)人権の重要性の蔑視
3)団結のための敵/スケープゴートづくり
4)軍隊の優位性/熱烈な軍国主義
5)性差別の蔓延
6)マスメディアの統制
7)国家の治安への執着
8)宗教と支配層エリートの癒着
9)企業権力の保護
10)労働者の力の抑圧もしくは排除
11)知性と芸術の軽視と抑圧
12)犯罪取り締まりと刑罰への執着
13)縁故主義と汚職の蔓延
14)不正選挙
1番目の「執拗な国家主義の宣伝」については、読者の皆さんも、彼らの演説やSNSを参照すればわかると思います。2番目の「人権の重要性の蔑視」に関しても、これでも議員かという低レベルな言動が目立ちます。以下は、これまでメディアで報じられた維新関係者の不祥事です。
【梅村みずほ・参議院議員】入管施設で亡くなったスリランカ人女性をめぐり、「ハンスト(ハンガーストライキ)によって亡くなったのかもしれない」と発言し、「人権感覚を疑う」と炎上。6カ月の党員資格停止処分。