エコーチェンバー集団の特徴
2年前と今では

 筆者は2年前の記事でもエコーチェンバーを扱い、その際にツイッター内で見られるエコーチェンバーに陥った攻撃的なクラスタを下記のように分析した。

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(1)その対象が攻撃される理由について説明が省略される
 攻撃対象となる人物や思想があらかじめ決まっているので、それが出てきた瞬間に「たたいてよい」ことが確定している。クラスタ内での説明が不要であるため、「またお前か」「はい解散」など、少ない文字数で相手の存在を無効化するほどクラスタ内ではウケることがある。

(2)攻撃対象の言動を比喩によって誇張する
「顔真っ赤」「ヒステリー」「ぶったたく」「死体蹴りする」「火をつける」「人を焼く」「リンチ」「ナチス」「殺した」など、自分が攻撃したい対象の発言について過度な誇張を行う。逆に、自分たちが行っている攻撃については「やられたからやり返す」「そうか、それなら戦争だ」などと正当化する。

(3)相手が「対話」しないと主張する
 仲間内で中傷や揶揄(やゆ)を繰り返しておきながら、中傷や揶揄を行った相手に対話や説明を求める。相手がそれに応じないと、不寛容、不誠実だと言い立てる。
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 この3点は現在においても繰り返されている特徴だと感じる。ただ、今感じるのは、2年前よりもさらに集団の攻撃性が高まっているように見えることだ。また、エコーチェンバーの中で実態の不明な仮想敵を作り上げることで、結束を高めている様子もある。