タイプ別に見る
怒りのスイッチと対処法
あなたはどんなことに、怒りのスイッチが入りますか?
気質は怒りの表現にもあらわれるので、パターンを理解していれば、相手の怒りを招かない、怒りをしずめるための言葉を掛けられるようになります。
それでは、気質ごとに怒りのスイッチと、特徴的な怒り方を見ていきましょう。
(1)理論型の人には「謝罪+理由」
理論型の人は、嘘をつかれたり、だまされたりしたと思った時に怒りのスイッチが入ることが多く、ルールを守らない人にもイライラしがちです。
特徴として「どうしてそうなったのか!理由は?」などと理由を追及する傾向があります。その背景には、理由を知って納得したいという思いがあります。
このタイプの人に「理屈っぽいね」「説明がまわりくどい」などと言うと、怒りの感情に火をつけてしまいます。まさに“地雷の言葉”となるので、こういう言葉を掛けるのはNGです。
理論型の人を怒らせてしまった時のおさめ方は、謝罪後に、怒りの原因となった物事や発言がどうして生まれたのかを、順を追って正直に説明することです。
嘘を交えずにすべて明らかにして話せば、「ああ、そういうことだったのか」と納得してもらえる可能性が高いといえます。
(2)感覚型の人には「謝罪+傾聴と同情と共感」
感覚型の人は、人前でイメージダウンにつながるようなことを言われた時に、傷つきやすい傾向があります。例えば職場などで「それ、言ったよね」「言ったのに、なぜやらないの?」などと追い詰めると、怒りを買うことになります。
このタイプの人は、人情深く一生懸命他人のために尽くすことが多い反面、その親切に感謝してもらえず当たり前のように受け取られると、裏切られたような気持ちになり、怒りのスイッチが入ることがあります。
山本千儀 著
感覚型の人が一生懸命やったことについて、「頼んでないよ」と言ったり、軽くスルーしたり、または存在を忘れると大きなショックを受けます。
なお、感覚型の人が怒る時「何なの、その態度は?」などと口にすることがあります。これは、自分の気持ちがわかってもらえず、苛立っているからです。
感覚型の人を怒らせてしまった時には、謝った後には怒りを傾聴、そして共感することが一番です。謝罪の内容よりも心のこもった声色やトーン、態度を心掛け、「そんなつもりではなかった」「わかってなくて、傷つけてしまってごめんね」などと誠心誠意を尽くすと、気持ちが伝わります。
(3)行動型の人には「謝罪+結論+低姿勢」
行動型の人は、人から見下されたり上から偉そうにものを言われたりすると、カチンとくることがあります。また、自分が言ったことに逆らうような態度を取られたり、理詰めで批判されたりすると「もういい!」と心のシャッターを閉ざします。
行動型の人に対する地雷の言葉には「おっちょこちょいな人だね」「頼りないね」などがあります。
このタイプの人が怒ると、「なぜやらないの?」「どうして動かないのかな?」といった言葉を発するケースが多いです。怒ると支配的になる傾向があり、相手に言うことを聞かせたいという思いが発言の端々に出てきます。
行動型の人に対しては、あくまでも低姿勢・謙虚に対応するのがポイントです。まずは、くどくどと言い訳をせずに、謝罪後は簡潔に詳細な報告をする。その上で、「次はどうすればいいですか?」などと尋ね、指示通りに動くと、行動型の人のイライラは解消されます。