「会議がうまく仕切れない」「商談に自信が持てない」「プロジェクトを進めるのに苦労している」…。こんな悩みを持つ人はたくさんいるはずだ。そこでお勧めしたいのが『今すぐ結果が出る 1ページ思考』。本書では、考えを1ページにまとめ、思考を研ぎ澄ませる手法を紹介している。このメソッドは、ミーティングやプロジェクトにとどまらず、ビジネスプランの説明や、本を読んだ学びのまとめ、人生プランの計画など幅広く活用できる優れものだ。本稿では、本書より一部を抜粋・編集して、「1ページ思考」とは何かについて紹介していく。(構成:長沼良和)

1ページ思考Photo: Adobe Stock

共通認識を深めて目線を合わせる

「1ページ」思考は、1枚にまとめることでメリットがいくつもある。

 まず、ミーティングの際に「1ページ」にまとめることによって、「お互いの共通認識が深まる」という利点がある。

 チームなどで討議をするための目線合わせがすぐにできるので、話し合いがスムーズになり、意見がまとまりやすくなるのだ。

例えば、P&Gでプロジェクトを推し進めていくときには、営業、研究開発、製造、法務など、いろいろな部署からメンバーが集まります。そんなときにもプロジェクトリーダーである私がどのような情報に基づき、どのように考え、どうしたいのかを、はっきりと伝えることができました。
しかも、それぞれが持っている情報を共有して目線合わせをしているので、議論がずれなくなる。(P.34-35)

 リーダーのしたいことに基づいた上で全員の目線が合った議論ができる。そのため、「こんな選択肢もある」「営業的にはこんな風にしたい」といった建設的な意見が出るのである。

1ページ思考の具体的なイメージ1ページ思考の具体例(上記内容はあくまで架空のものです)

会議後のスケジュールを念頭に置く利点

 また、誰がいつまでに何をやるかという「ネクストステップ」という段階まで書くと、メンバー全員がそれぞれどう進んでいくのかを念頭に置いて議論ができる。

 より具体的に、時間的なスケジュールも含めて共有できるので、現実的な討論が可能になる。

特に時間がシビアなときには、段取りの確認を最初にしました。そうすると、危機感が同じレベルになって、「よし、もう今日決めるぞ」というモードで本気のディスカッションができるわけです。(P.36)

「1ページ」を作ることで、建設的に議論が進み、チームとして結果を出せるようになってくる。

「全体が一覧できる」ことの意外な効能

「1ページ」のもうひとつのメリットは「一覧性」である。

 伝えたいことが1枚にまとめられているので、見た瞬間に全体がわかるのは大きな利点といえる。

人は基本的に、わからないものに関してはネガティブに振れる可能性のほうが高い、と私は思っています。しかし、「こういう話をします」「こういうことを考えています」「こんな感じで進めていきたい」というものがクリアになれば、不安にならずに議論ができる。だから、相手も安心して巻き込まれることができる。(P.37)

 ミーティングで話す内容が決まっていて、こんな感じで進行するとわかっていれば、各メンバーも安心して話し合いに臨める。

 事前に話す内容を決めて準備してきてくれたことは、メンバー全員に伝わる。

 彼らを尊重しているという印象を与えることで、前向きになってくれる可能性が高まるだろう。

1枚だからミーティング全体の時間配分がわかる

「1ページ」で全体感が一目でわかると、おのずとミーティング中の時間配分も見えてくる。

 5つの項目があるから10分ずつで話していこうとか、1時間のミーティングなら1枚の4分の1のスペースを占める項目は15分で話し合おうという具合で判断できる。

「1ページ」に占める割合によって時間配分がつかめるのである。

紙面に占めるスペースの大小により視覚的、直感的にイメージできる。お互いに時間の配分バランスが、「1ページ」によってあらかじめ見える化されているのです。
その意味では、時間あたりのアウトプットの最大化ができるのが、「1ページ」だと思っています。(P.38)

「1ページ」によって、参加者の貴重な時間を最大限に活用できるのだ。

心の余裕ができる「1ページ」

「1ページ」にはメンタル的な効能もある。

 ミーティングの事前に「1ページ」を作ると、徹底的に準備をすることになる。

 参加するメンバーの誰よりもしっかり考えてきたのだから、そこに自信が生まれ、心の余裕ができるのだ。

準備をしっかり行い、鬼リアルに想像し、思考を研ぎ澄ませて「1ページ」を作っておくことで、ミーティングに際して心の余裕が生まれるのです。それは、会議中の自分の行動だったり、メンタルにも大きく影響してくると考えています。(P.82)

 心に余裕があれば、絶対の自信をもって考えてきたことを提案できる。

 また、逆にいくつか選択肢を提示して迷っていても、プライドを気にすることなく堂々としていられるのである。