1万件を超える「幼児から高校生までの保護者の悩み相談」を受け、4000人以上の小中高校生に勉強を教えてきた教育者・石田勝紀が、子どもを勉強嫌いにしないための『勉強しない子に勉強しなさいと言っても、ぜんぜん勉強しないんですけどの処方箋』を刊行。子どもに失敗してほしくない、教育熱心な人ほど苦悩を抱える大問題への意外な解決法を、子育てを「動物園型」「牧場型」「サバンナ型」にたとえて解説します。

【あなたはどっち?】親には大きく分けて2タイプあるPhoto: Adobe Stock

【マルチタスク型親の特徴】
無駄なことを嫌い、損得でものごとを考える

 マルチタスク型はその名の通り、さまざまなタスクをマルチにこなすことができるタイプです。

 いろんなことに気がつく半面、1つのことになかなか集中できません。

 能力が上がってくると仕事や家事などいろんなことを同時並行的に進めることができるようになり、キャパシティが広がっていく人もいます。

 何をするにも最短コースでゴールに到達したいため、効率性を高める計画、ノウハウ、時間管理などの仕組みづくりが好きです。

 また、無駄が嫌いで秩序を重んじます。

 すべてにおいて損得の価値観を重視する合理主義者ですから、お金の管理も上手な人が多いです。

●空気を読むほうだ
●人の目が気になる
●集中力は長く続かず、気が散りやすい
●メニューは値段から見る
●「めんどくさい」という言葉をよく使う
●好きなことそのものより、
 好きな理由に才能が隠れていることが多い
●集団をまとめるのが得意なリーダータイプ
●他人の言葉に傷つきやすい

【シングルタスク型親の特徴】
マイペースで、人に言われたことに振り回されない

 このタイプは、自分が好きなことや興味があることに対しては没頭し、どっぷりハマりますが、それゆえまわりが見えなくなりがちです。人の目や意見はあまり気にならないので、空気が読めないと言われることも。

 そのときの気分で物事を決めがちで、メニューを見ると値段など見ずに「これおいしそう、食べたい!」と感覚的に選びます。後で値段を知ってびっくりすることもありますが、「まあいいや」とあきらめも早いほうです。

 計画性はほとんどなく、秩序や仕組みもそれほど重視しません。マイペースなので、人に言われたことに振り回されることはあまりなく、やりたくないことを無理してやることもありません。

 計画性や秩序などはスキルとして後天的に獲得できますが、このタイプは計画的に行うことを好まなかったり、計画的に行うと疲労感が残ったりする傾向にあります。

●好きなことに対する集中力がすごい
●人の目や周囲は気にしない
●やりたいこと、やりたくないことがはっきりしている
●面倒なことは最初からやらない
●仕組みのような枠にはこだわらない
●特定の領域に関する知識に詳しい
●片づけができない
 片づけても特定のエリアや物にこだわる
●専門職の才能や、新しい仕事をクリエイトする才能がある

*本記事は『勉強しない子に勉強しなさいと言っても、ぜんぜん勉強しないんですけどの処方箋』から、抜粋・構成したものです(次回へ続く)。