1万件を超える「幼児から高校生までの保護者の悩み相談」を受け、4000人以上の小中高校生に勉強を教えてきた教育者・石田勝紀が、子どもを勉強嫌いにしないための『勉強しない子に勉強しなさいと言っても、ぜんぜん勉強しないんですけどの処方箋』を刊行。子どもに失敗してほしくない、教育熱心な人ほど苦悩を抱える大問題への意外な解決法を、子育てを「動物園型」「牧場型」「サバンナ型」にたとえて解説します。

【うちの子はどっち?】子どもには大きく分けて2タイプあるPhoto: Adobe Stock

【マルチタスク型子どもの特徴】
全教科平均点以上できる子が多い

 自分に関心のないことや、やりたくないことでも、親に言われたことは比較的よく聞くほうです。

 食事も、お肉や野菜などバランスよく食べようと努力します。勉強も、特定の教科だけ突出して秀でているというより、全教科平均点以上はできる子が多いです。服や物を選ぶときもあまりこだわりがないので、「なんでもいい」「ママが決めて」とよく言います。

 一方、細かいことに気がつきやすいので、場所が変わると寝られなかったり、勉強も決まった場所でないとできなかったりします。

 10歳までは表面的にシングルっぽく見えた子も、成長とともにマルチの要素が強まっていく場合が多いので、まだ10歳以下の子は、タイプを決めつけないほうがいいでしょう。

●選ぶときに「なんでもいい」と言う
●周囲の様子をよく見ている
●ケンカはしたくない
●失敗するのが怖い
●なんでもそつなくこなせるほうだ
●全教科まんべんなく点数をとれる
●集中力は続かない
●手帳に計画やスケジュールを書くのが好き

【シングルタスク型子どもの特徴】
いわゆる天才型に多く、偉業を果たすことも

 シングルタスク型の子は、全体像を見るより何か1つのことに深くハマりやすい傾向があります。親の言うことはあまり聞かずマイペースで、天然系にも見えます。

 好きなことへの探究心が強く、納得するまで調べたり、試行錯誤をすることもあります。たとえば虫や鉄道が好きな子は、図鑑を見るなどして好奇心や知識欲を満たそうとします。

 幼い子どもは五感が敏感で好き嫌いがはっきりしているため、シングルタスク型に見える場合もありますが、成長とともにマルチタスク型の要素が強まる子もいます。

 10歳を過ぎてもシングルタスク型の特徴が顕著な子どもは、研究者、クリエイター、専門職、起業家などに向いているといえます。

 このタイプはいわゆる天才型に多く、世の中を変えていくような偉業を果たすこともあります。

●好きな食べ物から食べて嫌いなものは絶対に食べない
●その時の気分や感覚で服を選ぶ
●どこでも集中できる
●場所が変わっても寝付きはいい
●「やりたくない、行きたくない」とよく言う
●親の言うことはあまり聞かない
●好きなことに熱中しやすい
●計画性はほとんどない

*本記事は『勉強しない子に勉強しなさいと言っても、ぜんぜん勉強しないんですけどの処方箋』から、抜粋・構成したものです。