トクホや機能性表示食品は
どうなの?

健康食品では「絶対やせない」「健康にもならない」医療記者がお金のムダと断言するワケ2023年8月時点の朽木誠一郎さん。115キロから75キロへ、40キロものダイエットを成功させた過程は、2020年に刊行した『医療記者のダイエット 最新科学を武器に40キロやせた』に詳しい(提供)

 読者の中には「トクホ」や「機能性表示食品」は病気への効果をうたっているのでは、と思った人もいるはずです。

 実際、一般に健康食品と認識されているものの中には、「機能性表示食品」や「特定保健用食品(トクホ)」が含まれています。これらは国が定める基準を満たし、効果や効能をうたっても問題のない健康食品です。しかし、機能性表示食品やトクホもまた、いくつもの問題を抱えています。

 2017年11月7日、ある機能性表示食品を販売していた、太田胃散やスギ薬局など大手メーカーを含む16社に対し、消費者庁は景品表示法違反として、行政処分を下しました。景品表示法というのは、簡単に言えば、ウソや大げさな広告を取り締まるものです。この健康食品は「飲むだけで、誰でも簡単に内臓脂肪や皮下脂肪が減り、お腹周りがやせる効果が得られる」と宣伝していました。これがウソや大げさな広告だったのです。

 機能性表示食品は国が定めた制度。しかし、「安全性」や「機能性」「効果」は企業の自主的なチェックに委ねられています。つまり、商品を売りたい企業が、売りたい商品に効果があるかどうかをチェックする、ということで、不正が起きやすい構造です。