短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を徹底研究してきた人物がいる。東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。「20年に一冊の本」とミリオンセラー会計士に絶賛された『売上最小化、利益最大化の法則』に続き、「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題となっているのがベストセラー『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』だ。【がっちりマンデー!!】SNSで、「ニトリ」似鳥会長と「食べチョク」秋元代表から「2022年に読んだオススメ本3選」に選抜され話題となっている。本稿では、本書より一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を紹介する。
ブームに踊らされない
「参入障壁」をつくる力
思いついたアイデアが過去に一例も実行されていなかったら、極めて戦略的になるべきだ。
まず、競合が参入してくることを前提に事業プランを立てる。
フェイスブックやグーグルが新しいサービスを始めるとすぐ競合が現れるが、GAFAは資本を入れ、経験豊富な経営のプロを入れ、他社が参入できないレベルにまで経営基盤を強化してからサービスを出してくる。
たまたま思いついたアイデアだけでやっているわけではない。
もう一つ、参入障壁をつくる力の大切さを感じたエピソードがある。
北海道の特産品を扱っていた2008年、足の折れたカニや端の切れたタラコなど、正規品として販売できない道産品を「わけありグルメ」として2~7割引で販売した。
メディアで多数取り上げられたが、すぐに売上も利益も上がらないことに気づいた。
中小だけでなく、大手企業も「わけあり」市場に続々参入してきたからだ。
「最初に始めた」こと自体は
競争優位にならない時代
「わけありグルメ」の事業は、所詮アイデアだけの勝負で、誰でも参入できる参入障壁の低いビジネスだった。
ここから学んだことは、検索エンジンで何でも比較検討できる現代ビジネスにおいて、「最初に始めた」こと自体は競争優位にならないということだ。
それ以降、マネできない品質で勝負するオンリーワン商品を開発し、長く売っていこうと考えたのだ。
(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)