……とお伝えすると、「自分がダメな人間だからだ」「自分に足りないものがあるからだ」と自分側の原因を探してしまう人がいます。
 でも、必ずしも自分に原因があるわけではありません。

マウントをとられる
意外な原因

 何かが相手より劣っているせいということよりも、うらやましさや嫉妬からマウントをとられるケースのほうが実は多いのです。

 相談者Kさんの場合は、周囲と比べると仕事ができるほうでした。
 子どもの頃から頑張ることで親に認めてもらってきたこともあり、仕事においても「頑張る」がスタンダード。
 手を抜くということはせず、常に全力で取り組んでいました。それが上司にも評価されていたのです。

 Kさんに対してマウントをとってきた人たちは、仕事の面でKさんよりも評価されていない(もしくは自分でそう感じている)人たちでした。
 仕事の面で負けていると感じているからこそ、仕事以外のプライベートな面でKさんより優位に立とうとしていたのです。

 それとは反対に、プライベートな面で同僚に負けていると感じた人が、仕事や学歴でマウントをとることもあります。
「私のほうがあなたより学歴が上だ」「私は〇〇大学を出ている」と直接マウントをとってくることもあれば、「こんなことも分からないの?」「ふつうはこれくらいできる」というように批判的なことを言われることもあります。

 マウントをとってくる人を「マウントをとらない人」に変えることはできません。
 マウントをとる人は、そうすることで自分自身のプライドを保っているからです。
 周囲がやめてほしいと願ったところで、やめることはまずありません。

 ですから、マウントをとられるのはあなたのせいではありません。
 あなたの何かが良いとか悪いとかそういうことが原因ではなく、とりたい人が勝手にマウントをとっているだけなのです。

「マウントをとられる自分が悪いのだ」と自分を責めたり、「自分のせいだ」と自分の落ち度を探してしまう人には、まずはそのことを忘れないでいてほしいなと思います。

 マウントをとられる側に問題があるのではなく、とる側に問題があるのです。
 わざわざ言わなくていいことを言われて傷ついているというのに、これ以上自分を傷つけないでおきましょう。

究極の解決策は
「戦わない」で言い返す?

 一般に、マウントをとられた場合は相手にしないほうがいいといわれています。
 へたに反応すると、相手を喜ばせたり、満足感を与えてしまうことがあるからです。