ネットに情報あふれる
今こそ習得のチャンス
だが、今回の練習では収穫があった。知らなかった具体的なコツを知れたのもよかったが、何より、「鳴らすコツ」を解説した動画やサイトがネットに山ほどあふれていることを知れたこと、これが収穫だったのである。
こうした、何かのテクニックを習得する際に圧倒的に推奨したいのが、一つの解説を深掘りして学ぼうとするのでなく、広く浅くいくつもの解説にあたってみることである。
たとえば「自転車に乗るコツ」が言語化される際、「バランスを取れ」「下を向くな」「何も考えずにペダルをこげ」など、いくつかのアウトプットがあるとして、どのコツがその人に刺さるかはわからない。自分にフィットするアドバイスに出合えるかは運であり、それに出合いやすくするために試行回数を増やす…つまりたくさんのアドバイスに接した方がいいというわけである。
筆者自身、そういう経験もあった。地声と裏声の中間に位置する「ミックスボイス」というのがあって、歌がうまくなりたい人なら必ず習得したいスキルなのだが、筆者はこれを習得している。ただ10年以上前に、ボイストレーニングに通ったり、数冊の参考書に従って毎日何時間を数年単位で続けても習得するに至らなかった。しかし、このネット社会のご時世でYouTubeの関連動画をあさるうちに、自分にフィットする解説に出合えて、ある日フッとできるようになったのである。
と、偉そうに書いたもののまだ指笛は習得できていないのだが、広く情報をあさるうちにやがてできるようになる確信はある。習得まであと数十分か数時間か、指をなめ濡らす覚悟さえ持てれば、あとは実践あるのみである。指笛が必要になる災害時の緊急のシチュエーションなど人生において訪れない方がいいに決まっているが、備えあれば憂いなしだ。
暇があったら習得しておこうかなという気にしてくれた今回の警視庁投稿と、そのプチバズりであった。