スマホ時代になって、長い文章がますます嫌われるようになった。そこでコピーライティングの第一人者、神田昌典氏25年の集大成『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』の中から、スマホ時代に完全対応した「文章を短くするポイント」を抜粋して紹介する。

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文章を短くするメリット

 みんなにわかりやすく伝えるときに重要なのは、文章を短くすることだ。

 スマホが情報入手ツールの主流を占めるようになり、以前とはまったく異なる編集技術が必要になってきた。

 ウェブ以前は、情報入手は、もっぱらテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、書籍などだった。しかし今は情報の更新頻度がすさまじい。

伝説のセールスレター「2人の若者」の事例

 昔のセールスレターからアイデアを借りてLPに反映するのは大いに結構だが、文章をそのままマネするより、少しでも文章を減らし、短く表現することが必要だ。実際に例を見てみよう。

 本書57ページで紹介した伝説のセールスレター「2人の若者」の事例で見てみよう。

【コピーライティングの第一人者が教える】スマホ時代の文章を短くする技術

 これをスマホ表示にすると、下記のようになる。

 もちろん、スマホでは読み手のデバイス画面の大きさやフォントのデフォルト設定で、文字を大きめにしているか、小さめにしているかで、表示される1行の字数は変わってくる。

 ここでは1行の字数を20として、同じ部分を表示してみた。

 当然、1行の字数が減っている分だけ、縦に長くなる。

 従来のセールスレターと同じ文章量なら、スクロール回数が相当増える。

 その分、流し読みどころか、肝心なところを読み飛ばされるケースが圧倒的に増える。

 また、「一覧性」でもA4用紙とスマホ画面ではまったく違う。

 一度に目に入る情報量でもスマホは圧倒的に不利だ。

 改行を入れることで読みやすさは改善されるが、文章量自体が減るわけではない。

 また、改行を入れれば、その分だけ下へのスクロール回数は増える。

 LPをスマホベースにするには、レイアウトだけでなく、根本的に文章量を減らす必要がある。その一つが、次ページBのように、極力短い文章で表現することだ。

 Aはセールスレターの書き方、Bは「読むより見る」感覚で表記を変えたものである。

 このように、文章自体をスマホベースにすることで、見やすく改善され、これをパソコンで見たときも、スッキリした構成になるのだ。

(本原稿は、神田昌典・衣田順一著『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』からの抜粋です)