20年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である本書の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2022年12月時点に執筆した『大学図鑑!2024』をもとにしています)
日本の私立大学の中でトップを走り続ける2校の商学部の雰囲気がそれぞれどう違うのか紹介する。
早稲田大学・商学部
経営、会計、マーケティング・国際ビジネス、金融・保険、経済、産業の6トラック制。2年次の秋に各自のトラックを決定し、3・4年次には各トラックに対応した約60に及ぶゼミが用意され、専門的な研究に取り組める。
日本を代表する企業や各業界で活躍する人たちを講師として招く「寄附講座」も好評。国際社会に貢献するビジネスリーダーを育てるための「グローバル・マネジメント・プログラム(GMP)」という、商学部独自の取り組みも始めている。春学期と秋学期の2セメスター制で中間・期末試験があるため、他学部より忙しいという説も。一方で、春と秋には2日間ずつ「商学部デー」という学部独自の休日がある。
慶應義塾大学・商学部
商学科のみ。経営学、会計学、商業学、経済・産業の各分野を中心に扱い、専門の4フィールドと9分野の多彩なジャンルで専門性を磨く。
福澤諭吉の「実学の精神」を最もダイレクトに受け継ぐ学科だが、法学部、経済学部落ちも多く、学生の間では「バカ商」「チャラ商」などとも呼ばれている。とはいえ実際には難関資格の取得に向けてまじめに勉強している学生も多く、公認会計士の合格者は、47年連続で大学別合格者数トップの座をキープしている。
それぞれ、同じ商学部でもその特徴は大きく違う。ただどちらにも共通しているのは、日本の財界に多くの人材を送り込んでいることであり、私大トップにふさわしい大学・学部であることは間違いないだろう。