大学受験の最難関は今も昔も東京大学理科三類(医学部)だ。また、国公立大学の医学部や難関私立大学の医学部に合格するには、東大理系並みの学力が必要になるケースが少なくない。当然、合格者数上位の高校には中高一貫校が多く並ぶが、その中でも中学入試時は入学しやすい「お得」な学校はどこなのか。特集『わが子が成長する 中高一貫校&塾』(全34回)の#23では、2024年入試直前に対応できるように、最新のデータで試算した医学部に強い学校を独自ランキング形式で公開する。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋、ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
最新データで独自ランキングを作成
入学しやすいのに医学部を狙える学校は?
仕事にやりがいがあり、安定的に高収入が狙えて社会的地位も高い――。不透明な時代が続く中、大学受験における医学部人気が高止まりしている。
その結果、中高一貫校の優秀層がその小さい枠を奪い合う構図が続いている。国公立大学医学部や有名私立大学の医学部の合格者数の上位校には、難関中高一貫校の名前が目立つ。
近年は公立高校の復権が話題になることも多いが、それでも医学部においては中高一貫校が圧倒的に強い状況が続いている。
「公立が強い関西圏でも、最難関の医学部となると中高一貫校が強い。例えば、京都大学合格者のトップは北野高校だが、最難関の医学部は東大寺学園や洛南が圧倒している。もちろん灘は別格だ。この部分は中高の6年間でカリキュラムを組む中高一貫に優位性がある」(大学通信情報調査・編集部部長の井沢秀氏)
そして中高一貫校であれば、偏差値55未満の中堅校であっても、難関校に肩を並べるほど多数の医学部合格者数をたたき出す、隠れた学校も少なくない。そんな医学部合格に“お値打ち”な中高一貫校はどこか?
そこで、ダイヤモンド編集部は大学通信の協力を得て、偏差値55未満の中高一貫校を対象に、「国公立大学医学部」と「私立大学医学部」に分けて、それぞれ卒業生数に対する医学部合格者数の比率の高い学校をランキング化した。24年入試直前版として、最新のデータで作り直している。
上位には首都圏以外の学校も目立つ。これは企業の首都圏集中が進む中、医師であれば首都圏以外でも高収入が期待できるという理由からだろう。
次ページでは、最新のデータで試算した中学受験偏差値に対して、「医学部に入学しやすい」中高一貫校のランキングを雑誌版の3倍のボリュームで一挙に紹介する。