「60歳を過ぎても精力的に働ける人には、1つの特徴がある」
そう語るのは、これまで3500社以上の導入実績がある組織コンサルタントである株式会社識学の代表取締役社長・安藤広大氏だ。「会社員人生が変わった」「誰も言ってくれないことが書いてある」と話題の著書『とにかく仕組み化』では、メンバーの模範として働きつつ、部下の育成や業務管理などで悩むリーダーたちに、仕組み化のメリットを説いた。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、人が成長し続けていくための考え方を解説する。(構成/種岡 健)
「いつラクになるのか」という錯覚
人は社会人である限り、成長し続けないといけないものです。
すると、
「では、いったい、いつラクになるのか?」
と言い出す人がいます。
「いつかラクになれる」という発想そのものが、じつは錯覚なのです。
マラソンをしている人に、「ゴールまでタクシーで行けば?」と言うでしょうか。
魚釣りをしている人に、「スーパーで魚を買えば?」と言うでしょうか。
それくらい、ピントがズレていることに気づかないといけません。
人間は、人間である限り、ずっと満たされることはありません。
満足した瞬間というのは、成長が止まるときです。
それは、引退して、余生を送るときに考えればいいことです。
あるいは、節目節目に、少し人生を振り返ってみて、
「自分の人生も、まあ、悪くないな」
と思えれば、それでいい。それが瞬間的にラクになるときかもしれません。
しかし、次の日には、「もっと上を目指そう」と思うはずです。
ずっと活躍できる人の特徴
どんな仕事でも、プロフェッショナルは、飽きることがないと言います。
ものづくりも、スポーツも、そして、経営もそうです。
「極めた」と思ったら、また次の景色が見えてきて、「まだまだこんなものじゃない」「上には上がいる」と思い続ける。
しかし、その仕事をお試し体験でやったような素人は、「こんなもんか」「大体はわかった」ということを言い出します。
どんな仕事も、やり続けると、つねに新発見があり、壁が現れます。
それは、仕事をすることで、解像度が高くなるからです。
それが一生、続くのです。
60歳を過ぎても活躍し続ける人は、そのことを深く理解できています。
そして、つねに満たされない危機感と、最後まで仲良く付き合わないといけないのです。
それを知ったうえで、人の上に立つ人は、部下やメンバーを導いていくことが求められます。
(本稿は、『とにかく仕組み化』より一部を抜粋・編集したものです)