日本人にも危害が及ぶ可能性

 ここまでの話は一般の方には、あまり関係がないと思われがちなのですが、実は大いに関係があります。70人のパレスチナ人と700人のイスラエル人が日本で大きな衝突をすることは考えづらいのですが、自分たちの主義主張を広めるために、海外の戦争などを利用する日本国内の活動家たちがいます。こうなると、ターゲットは日本人となりますし、 暴動に巻き込まれるといった被害だけでなく、勧誘活動などを通して接近してきたりします。

  今回の戦争は、10月7日に始まりましたが 10月の20日にはイスラエル大使館の前で 日本の中核派という 江戸川区にアジトを持つ過激派に所属する24歳の活動家が、イスラエルに停戦を求める抗議活動をして、規制に入った機動隊員とぶつかって公務執行妨害で逮捕されています(10月20日付産経新聞)。

 少し前で言うと 2010年にアラブの春がチュニジアで起こってエジプトなどに広がっていったときも、在日チュニジア人や在日エジプト人がそれぞれの大使館に押し寄せました。 そのときも、 日本の過激派活動家などがそれに便乗して、けしかけるなどして自分たちの活動実績としていました。平和活動や人道支援の仮面を被った過激派が表に出てきます。

 こういう過激派は、戦後日本共産党の中の過激分子が分派をつくった際に生まれた組織の一つです。もう1つの革マル派という過激派と合わせて2大過激派の一つという風に言われています。

 それぞれに特徴があって、人道支援や平和活動の仮面を被って出てくるのはだいたい中核派。高齢化が進んでおり、活動を通して人を集めようとします。一方で、革マル派は中核派と比較すると年齢派若く、大学のサークルなどを使った 勧誘活動をしています。 例えば「社会主義研究会」のようなものが表向きの名前としては多いですね。したがって、大学などに拠点があることが多く、関東だと早稲田大学などが有名です。