空が青い理由、彩雲と出会う方法、豪雨はなぜ起こるのか、龍の巣の正体、天使の梯子を愛でる、天気予報の裏を読む…。空は美しい。そして、ただ美しいだけではなく、私たちが気象を理解するためのヒントに満ちている。SNSフォロワー数40万人を超える人気雲研究者の荒木健太郎氏(@arakencloud)が「雲愛」に貫かれた視点から、空、雲、天気についてのはなしや、気象学という学問の面白さを紹介する『読み終えた瞬間、空が美しく見える気象のはなし』が発刊された。鎌田浩毅氏(京都大学名誉教授)「美しい空や雲の話から気象学の最先端までを面白く読ませる。数学ができない文系の人こそ読むべき凄い本である」、斉田季実治氏(気象予報士、「NHKニュースウオッチ9」で気象情報を担当)「空は「いつ」「どこ」にいても楽しむことができる最高のエンターテインメントだと教えてくれる本。あすの空が待ち遠しくなります」と絶賛されたその内容の一部を紹介します。
雲の名前
古くから、人々は空を見上げては雲を観察し、その特徴で呼び名を分けていました。雲の分類は、大きく分けて一〇種類あります(十種雲形)。
まずは高さごとに上層雲・中層雲・下層雲があります。
「巻」の字のつく雲、巻雲・巻積雲・巻層雲は、全て上層雲です。
高層雲、巻層雲、層積雲、層雲など、「層」の字がつく雲はその名の通り横に広がる性質を持ち、寿命が長いという特徴があります。
このうち層雲は、十種雲形の中でもっとも地面に近い空に現れ、地面にくっつくと霧に分類されます。
「積」の字のついた積雲や積乱雲、高積雲、巻積雲といった雲は、比較的上昇気流の強い雲で、もくもくと積み重なるように成長します。
このうち積乱雲は、雲が発達する限界の高さまで成長することができます。典型的な雨や雪を降らせる雲としては、「乱」の字の入った、乱層雲、積乱雲があります。
その名の通り、天気を乱す雲です。
名前に使われている漢字にも、それぞれの雲の特徴が表れているのが面白いですね。