JR旅客6社が2023年度中間決算を発表した。新型コロナの5類感染症移行による人流の活発化を受けて運輸事業が復調し、各社とも対前年同期で大幅な増収増益となった。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)
JR東日本の営業収益は
コロナ前の約9割に回復
JR東日本の上半期連結営業収益は対前年同期比17%増の約1兆2998億円で、コロナ前の2019年同期比86%の水準まで回復した。2020年度は52%、2021年度は58%、2022年度は73%だったので、コロナ禍の痛手から順調に回復している。
連結営業利益は前年同期比188%増の約1918億円で、こちらはコロナ前の約2965億円の65%の水準となる。経常利益は同61%の約1655億円で、約1170億円の最終黒字となった。
業績回復を牽引した運輸セグメントの営業利益は前年の約173億円から7倍近い約1183億円となったが、まだ2019年同期の半分程度だ。鉄道事業は固定費の割合が高いため、対2019年の営業収益は約1381億円減なのに対し、営業費は約323億円減にとどまっており、差額の約1000億円が営業利益に反映された格好だ。