「あの人なんであんなことを言ってきたんだろう」「この仕事、終わらなかったらどうしよう……」など、寝ようとするといろいろな考えが頭の中にわいてしまって眠れないことはないだろうか。そんな、早く眠りたいのに、グルグル思考が止まらない人におすすめなのが、『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)だ。多数の著作を持つ人気心理カウンセラーの大嶋信頼氏の本作では、心理学的なアプローチによって、働きすぎている意識をストップし、読むだけで眠くなるメソッドを多数紹介。「2ページ読んだだけで眠れた」「ストレスが消えた」「自己肯定感が高まった」などの感想が多数寄せられている本書。今回は発売を記念して、本書から特別に一部抜粋、再編集して「眠くなる方法」を紹介する。(構成/照宮遼子)
眠る前の「気持ちがいいこと」探しゲーム
仕事や家事を終え、ゆっくりとお風呂に入り、ベッドで横になってリラックスできると、副交感神経が優位になるので眠りやすい。
しかし、そこで、スマホなどを寝る直前まで見てしまうと、交感神経が優位になり、眠れなくなってしまう。通知が常にオンになっているから、気がつかないうちに緊張状態になり、リラックスして眠るのが難しくなるのだ。
そこで、副交感神経を優位にするために、「気持ちがいい場面」を想像するという睡眠導入法をやってみよう。
・ペットのネコのお腹の匂いをかぐと幸せな気分になる
・満点の星空を眺めながら露天風呂に入ったときは、本当に気持ちがよかった
そんなふうに、気持ちのよかった場面や気持ちのいいことを想像してみる。
これは、安心できるような気持ちがいい場面を想像して、副交感神経を優位にして、リラックスしながら心地よい眠りにつく練習である。
「気持ちいいこと」を想像したいのに、「嫌なこと」を思い出してしまう場合は?
しかし、「気持ちがいい場面」と思っているのに、不快な人が浮かんできたり、失敗した場面が浮かんできたりすることがある。
それは、「苦痛」と「気持ちいい」が入れ替わってしまっている証拠。頭の中でくり返し嫌な人のことを思い出してしまうのは、「苦痛=気持ちがいい」となっている可能性がある。
「これが私の気持ちいいということなんだ!」と認めると、いつの間にか考えるのが面倒になって、眠りに落ちていく。
もし、ここで、「どうしてこんな不快なことを思い出してしまうんだろう?」と理由を考えてしまうと、交感神経が優位になってしまうので注意。
「苦痛を快感と思ってもいいんだ」と自分を許してあげると、「自分に責められなくてよかった」と、リラックスして眠くなってくるのだ。
“無”の状態でぐっすり眠れる
毎晩、気持ちがいい場面を想像するうちに、あるときから何も浮かんでこなくなる。
「気持ちがいいことが何もなくなった?」と、一瞬不安になるかもしれないが、「何もないのが気持ちいい」と思っていると、いつの間にか深い眠りの中に入っていける。
「何も感じない」のが悟りの境地で、「気持ちがいい」。
だから、「何も浮かんでこない」のが気持ちいい、で大正解なのだ。
「どんなことが自分にとって気持ちがいいんだろう?」と、日頃から「気持ちがいい場面」を探すようになると、不満に感じることがどんどん減っていき、不思議と仕事や家事に集中できるようになる。
そして、寝る前に「気持ちがいいこと」探しをする習慣を取り入れると、寝る時間に副交感神経が優位になるクセがつき、心地よく眠ることができるようになるのだ。
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♦︎『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』では、日頃から感じている不安やストレスを消して、ぐっすり眠る方法を紹介しています。