エンジニアの年収レンジ別に見た平均スキル偏差値

このスキル偏差値は企業の採用担当者が各ユーザーのスキルや目安となる年収を大まかに把握する際にも役に立つ。特に近年まで自社で積極的にエンジニアを採用してこなかった企業などにとっては、現在の水準やトレンドを知ることにも繋がるだろう。

加えてファインディでは企業とユーザー双方のサポートを充実させることで「ファインディのサービスでなければ繋がらなかったような企業とエンジニアのマッチング」も実現してきた。

特に企業向けにはAIが求人票を採点する「Findy Score」も活用しながら、エンジニアにとってわかりやすく、自社の魅力も伝わる求人票を作るところから支援する。人とテクノロジーを組み合わせた一連のサポート体制も、同社が選ばれる大きな理由にもなっているという。

始まりは「一切売れなかった」求人票解析サービス

山田氏は三菱重工業に新卒で入社した後、ボストンコンサルティンググループを経て2010年に前職のレアジョブに転職。同社では執行役員として人事やマーケティングなどに携わり、2016年7月にファインディを立ち上げた。

共同創業者で取締役CTOを務める佐藤将高氏は学生時代に同社でアルバイトをしていた経験があり、2人はその時からの付き合いだ。佐藤氏は東京大学の大学院で自然言語処理やデータマイニングの技術を学んだ後、新卒入社したグリーを経てファインディを創業している。

実は山田氏たちは当初AI求人票解析サービス・Findy Scoreを主力事業にしようと考えていた。ただこのアイデアを採用担当者などに話すと興味こそ持ってもらえるものの、ビジネスとしては成立しなかったという。要は「一切売れなかった」のだ。

最初のプロダクト「Findy Score」
最初のプロダクト「Findy Score」

とはいえ当時は特に目ぼしいアイデアもなかったため、試しに「無料で求人票を書きます」と募集をしてみることに。すると10社から応募が届いたのだが、そのうちの9社がエンジニアの求人票に関するものだった。この発見が後に同社の転機になる。

エンジニアと採用担当者の双方にヒアリングしてみた結果「人事側はエンジニア職や開発言語に対する理解が不足している」、「エンジニア側も自らの技術力や経験値を上手く伝えられていない」などの悩みが浮かび上がってきた。

この課題を解決できれば、双方のミスマッチを削減できるかもしれない。ある意味「一切売れなかったFindy Score」がきっかけとなって現場の課題にたどり着き、それを解決するための手段としてエンジニア偏差値やFindy転職が生まれたわけだ。