SoC(システムオンチップ)にはアップル独自開発による最新の「A14 Bionic」チップが搭載された。最先端の5nmプロセスルールを使って製造するチップには6コア構成のCPU、4コア構成のGPUが統合されており、第3世代のiPad Airに比べてタスクの処理性能を40%向上、グラフィックスの処理も3倍高速化した。16コア構成のNeural EngineはAI機械学習の処理、およびiPadに搭載する様々なセンサーの情報を高度に制御する役割を担う。音声コマンドの処理やARコンテンツの描画などの精度が高まりそうだ。
メインカメラはLiDARスキャナを持たない通常のシングルレンズユニットとしたほか、ディスプレイのスペックなどにおいては今年の3月に発売されたiPad Proが勝るものの、最新A14 Bionicチップのパフォーマンスがどの程度上位機を追い上げるレベルなのか、実機による体感が気になるところだ。
本体の厚みは6.1mmのスリムサイズ。春にiPad Proのアクセサリーとして発売された打鍵感のスムーズなMagic Keyboardや、iPadにマグネットで装着・充電ができる第2世代のApple Pencilにも対応したカラフルなiPad Airは男女を問わずビジネスパーソンの購買意欲を刺激するハイパフォーマンスなデジタルツールになりそうだ。
在宅学習ツールとして人気の「iPad」も高機能化、価格は据え置き
iPadのスタンダードモデルは第8世代の新製品が9月18日に発売される。価格は32GBのWi-Fiモデルが3万4800円(税別)からと、第7世代のiPadから据え置かれた。
外観はTouch IDを内蔵するホームボタンをフロント側に残し、10.2インチのRetina Displayも引き継ぐ。カラーバリエーションも第7世代のシルバー/スペースグレイ/ゴールドの3色と同じ。
本機の注目はその中身。第3世代のiPad Airと同じA12 Bionicチップを搭載したほか、スタンダードクラスのiPadに初めてAI処理に画像解析など複雑なタスクを担う第2世代のNeural Engineが搭載されたことで、クリエイティブワークがよりスムーズに行えるようになる。
世界的なパンデミック環境下において、第7世代のiPadが学生の在宅学習用のツールとして強い引き合いを得たことから、アップルは今後も就学児童向けのデジタルツールとしてパフォーマンスが向上したiPadをプッシュするようだ。