企業審査も行いますし、1つ1つのプレスリリースを確認しています。場合によっては、確認して明らかな間違いがあれば、訂正をお願いすることもあります。

人的な確認作業にも限界がありますが、限界があるから仕方がないと考えているのではありません。限界を知っているからこそ、今後は技術力を駆使して精度を上げていく必要があります。

PR TIMESでは、当社の判断でプレスリリースの掲載を保留したり、場合によってはリリースを出した企業に通知をしたりすることがあります。もし掲載保留や通知の過程を外部への説明のために開示するならば、慎重になる必要があります。それは、その企業への信頼を毀損することにもなり得るからです。

どうすることが最適解かはまだはっきりしていないのですが、いずれにしても、PR TIMESで配信される「全て」に責任を持たなければならないと思っています。

一度は諦めた海外展開に再挑戦

──PR TIMESは今後どのような存在になっていくのでしょうか。

PR TIMESはどのような存在になりたいのか──我々は「社会的な情報インフラになりたい」と思っています。

そして日本だけに留まらず、世界で有数のインターネットサービスになっていくための挑戦をしない理由はないと考えています。

実はPR TIMESは2013年に中国に進出しています。ですがその時は事業資産も能力もあまりなく、そんな状況にも関わらず挑戦してしまった。考えが甘かったです。

当時と比べれば、今では多くのクライアントやメディアにサービスを使って頂いています。挑戦を恐れ、日本国内にとどまっていては、いずれPR TIMESは別のサービスに置き換えられてしまうかもしれない。それは致し方ないことなのでしょうか? いえ、ここまで来たのであれば、クロスボーダーのチャレンジをして、クライアントやメディアの利用価値をさらに高めることに繋げていくべきだと思っています。

その挑戦に挑む事業資産が2020年、やっとしきい値に達しました。テクノロジーも進歩し、言語の壁もなくなってきていることは、ここ数年で誰にとっても明らかになりました。今やらないと、PR TIMES自体も、まだ視界に入っていない誰かに置き換わってしまうのだろうな、という危機感も覚えています。

──海外展開では中国に再挑戦する予定でしょうか。

(2013年)当時はまだFacebookもGoogleもAmazonも中国に対してチャレンジしていました。でも、もはや国の状況からして、(他国の)インターネットサービスは受け付けないんだということがよくわかりました。