また、世界に目を向けるとアニメ作品は意外と"日本風の味付け”ではない作品が好まれる傾向も見えてきていて。『悪魔城ドラキュラ -キャッスルヴァニア-』や『ゼウスの血』などが良い例です。日本のアニメが好きな人たちからは「これはアニメなんだろうか?」と思われるかもしれないのですが、世界的には評価が高く、たくさん視聴されています。

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こういった作品は「寿司」で例えるならば、カリフォルニアロールですね。カリフォルニアロールによって寿司が世界にも認知され、すそ野が広がっていったように、アニメも世界の人たちに向けてカルフォルニアロールのような作品を提供する必要があります。だからこそ、Netflixは伝統的な江戸前寿司も出しますし、カルフォルニアロールも出す。

そのためにインターナショナルな制作チームもつくっていますし、他にも監督が日本人だけど制作会社が海外や、逆に監督が海外の人だけど制作会社は日本といったように、いろんなバリエーションで制作していければと思います。今までドメスティックな制作チームで固まっていたのを壊し、なるべく世界のお客さんにも食べやすい形にしてアニメ作品を提供したいと思っています。

そうすることでカリフォルニアロールから入ったお客さんがゆくゆくは伝統的な江戸前の寿司にたどり着き、江戸前寿司の再評価に繋がるかもしれません。そういった形で、お客さんの幅を拡大していければと思います。

──実写作品については、いかがでしょうか?

坂本:先日発表しましたが、実写オリジナル作品に関しては2022年までに15作品以上を配信し、さらにラインアップを拡充させていく予定です。制作を手がける作品のテーマは具体的に決まっていませんが、まんべんなく様々なジャンルに挑戦したいと思っています。

例えば、『全裸監督』と同じようなテーマの作品は手がけるつもりはありません。それよりも、まだ世の中に語られておらず、実写でアプローチできていないテーマは何かを考えて作品を構想していきたい。そこへの欲求が何よりも強いですね。