偏食というと「あまり食べない」というイメージを持つ方が多いかもしれませんが、特定のものだけを食べすぎる偏食の子もいます。1つの食品でお腹がいっぱいになれば、結果的に他の食品は食べられなくなります。

 偏食の子は、ご飯やパンなどの炭水化物類、お菓子やジュースなど高カロリーのものを好んで食べることが多いため、よく食べる子、肥満傾向の子にも、偏食の問題が絡んでくることが多々あるのです。

 また、高カロリーのものを食べる偏食の子には、特定の問題があるのでここでお伝えしておきましょう。

 高カロリー食品は、少し食べただけで満足感が得られます。

 そのため、食べられるものが増えにくい傾向にあります。

 この偏食が続くと、食が広がるどころか、食べられる食品が減る「負のスパイラル」に陥ることも。

 このように偏食とひと言でいっても、何を偏食するかで食の広がり方は多少変わるのです。

そもそも、偏食は改善すべきもの?

 偏食の話でよく出てくるのが、

「いつか食べられるようになるから、偏食は放っておいても大丈夫」

「私も小さい頃は好き嫌いがたくさんあったけど、大人になったら食べられるようになった」

 という言葉です。

 子どもは好き嫌いがあるものだし、多少食べられるものが少なくても問題ないと思っている方もいるかもしれません。また、最近では思想や宗教の問題で「食べない選択をする」ことも大切な価値観とされています。

 しかし、私はそういった意見を踏まえても、「偏食の改善に取り組んだほうがいい」と思っています。

 これは決して、「偏食の子はダメ」と言いたいわけではありません。

 偏食の改善に取り組むと、やるべきこと・やらなくてもいいことが整理されます。すると、親御さんもお子さんも、気持ち的にとてもラクになるからです。

 偏食改善に取り組み、お子さんの食べられるものが増えればいうことはないでしょう。栄養面での心配が消えたり、一生懸命食事を作っているのに食べてもらえないというつらさが消えれば、子どもとの時間もより楽しいものに変わるはずです。

 ただ、実際に食べられるものが大幅に増えなかったとしても、偏食改善に取り組むことには大きな意味があります。

偏食改善で親の「イライラする時間」が減る

 子どもの偏食に悩む親御さんの相談に乗る中で、当初は「偏食改善に取り組むと、親御さんは疲弊していくのではないか」という懸念もありました。

 しかし、実際はその逆で子どもの偏食に向き合い、「子どもが食べない本当の理由」を知った親御さんの表情は晴れやかになり、焦りや悩みが軽減されているように見えたのです。

 たとえば、食事中、子どもに食べられないものがあったとしても、食べられない理由がわかっていればイライラせずに、そのことを受け止められますよね。

 また、子どもが食べたものを口から吐き出してしまったとしても、その理由がわかれば、むやみに悲しんだり、怒らずに済むのです。

 子どもが食べない理由がわかると、これまで怒っていた場面で怒らずに済み、親子関係の悪化を防げます。また、親御さん自身が「私の料理が下手だから食べてくれないんだ」など、自分を責めてつらい思いをすることもなくなります。

 こうして、親に気持ちの余裕ができると、子どもも身構えずに食卓に向えるようになるでしょう。

 子どもはとても敏感です。親の不機嫌・イライラを察知するので、親が「食べない子」にイライラしながら食事をすれば、そのイライラを受け取ります。

 こうなると、食の進みは当然遅くなりますし、食事自体が「嫌なもの」になってしまいます。

 親御さんの気持ちがラクになり、和やかに食卓を囲めるようになれば、子どももポジティブな気持ちで食事に向き合えます。このことが結果的に偏食の改善につながっていきます。