冒頭にもあるように、ユーザーは初回注文時に、1分程度で回答できる「おやつ診断」という質問集に回答することになる。「おやつと一緒に飲むのはコーヒーor紅茶?」「お酒は飲む?」「食べられない原料はありますか?」といった質問から、お菓子の好みや食べるタイミングなどを診断。その結果をもとにプログラムがユーザーの好みを判断し、配送するお菓子を決定する。
ユーザーは届いたお菓子それぞれに対してオンラインで4段階の評価をしたり、LINEのメッセージを通じて感想を送ることができる。Snaq.meはこれらの評価や感想をもとにユーザーのプロファイリング精度を高めて、次回以降はよりユーザーの好みに合ったお菓子を届けるとしている。
新製品もユーザーに提供してA/Bテスト
またスナックミーでは、ユーザーからの評価をお菓子ごとに集計し、サービス向上に役立てている。その一例が、新製品開発でのA/Bテストだ。一般的なお菓子メーカーでは新製品を社内や専用のレビュアーに試食してもらうことが多いが、スナックミーでは毎月のボックス商品の中に新製品を混ぜて、直接ユーザーから意見をもらっているのだという。
「お届けする8つのお菓子のうち6つほどはユーザーの好みを反映させますが、残りはあえてプロファイリングからは少し外れたお菓子も選んでいます。好きなものばかり選ぶと、同じお菓子ばかりを送ることになりがちです。そこで新しいお菓子との出合いも楽しんでもらえるように考えています」
「たとえば2つのフレーバーのうちどちらを新製品として正式に採用するか迷ったときにも、ユーザーごとにフレーバーを変えたお菓子をボックスに入れて、通常のお菓子と同じように4段階評価や感想を送ってもらっています。従来の試食ではひいき目の回答が集まることがありますが、我々の手法ではユーザーの正直な回答が集まります。ユーザーは『自分に届くボックスの中身をより良くしたい』という思いで回答してくれるからです」(服部氏)
新製品の開発スピードも早い。多くのお菓子メーカーでは新製品開発に半年から1年を費やすが、スナックミーでは社内のシェフを活用して2週間程度で試作品を完成させ、ユーザーの反応を加味して修正する。開発の早い段階でユーザーの声を直接取り入れることで、スピートとクオリティを両立した製造プロセスを実現した。
すでにSnaq.me以外の商品展開も始まっている。たとえば、「お菓子をスポーツの合間に食べている」というユーザーの声が一定数あったことから、健康志向の女性向けに、植物由来成分のみで作ったオリジナルのプロテインバーを開発し、「CLR BAR(クリアバー)」という別ブランドとして切り出した。