人間の5つの「象徴(タイプ)」

1. 龍人タイプ(男女両方)

 群れの中の関係を円滑化したり、群れの中の小さな群れ同士をくっつけたりする役割

2. 弁天タイプ(女性のみ)

 群れの中で内向きの繋がりを強め、群れを安定させる役割

3. 天狗タイプ(男女両方)

 群れをつくりだし、群れを仕切ったり、群れから離れた一匹狼的存在

4. 狐女タイプ(女性のみ)

 群れの中での縄張り意識が強く、周りを不思議な気持ちにさせる存在

5. 武士(もののふ)タイプ(男性のみ)

 群れの中で結束力を強め、仲間意識が強く、群れを守るために自らを犠牲にできる人

 それでは、この象徴(タイプ)ごとに、有名な三武将と守り神の関係を見ていきましょう。

龍人タイプ/豊臣秀吉
「類まれな人心掌握術」

 天下統一を成し遂げた秀吉。それは多くの人々を虜にした結果でした。龍人タイプの人は社交的で、臨機応変。人と人を繋げて、全体を引っ張っていく力を持ちます。秀吉の持つ類まれな人心掌握術は、まさに龍人タイプの代表格と言えます。

 その秀吉が頼った守り神が滋賀にある日吉大社。秀吉の幼名は日吉丸ですが、これは秀吉の母が日輪(太陽)が懐に入る夢を見て懐妊したからと言われています。また、山の神である日吉大神の使いが猿。秀吉自身が猿と呼ばれていたことから、日吉大社に特別な思いを持っていたことが推察されます。ちなみに、日吉大社の猿は神猿(まさる)と呼ばれ、「勝る」「魔去る」に通じるとされる縁起の良い言葉でもあります。千年の都・平安京の鬼門を守ってきた日吉大社は今も魔除けで有名ですが、信長の延暦寺焼き討ちで全焼しています。現在の建物のほとんどは秀吉が再建したものです。

 実は日吉大社は天狗タイプの神社ですが、東本宮には龍神でもある賀茂大神を祀っています。

 京都にある伏見稲荷大社も秀吉が崇敬していた神社です。古来より五穀豊穣、商売繁昌、家内安全、病気全快、諸願成就の神様として、全国の人々の篤い信仰を集めています。

 伏見稲荷大社は、狐女の象徴の神社ですが、祀られている五柱の神々の中に龍神がおられます。秀吉が崇敬したのも、意味があるのです。

 本殿正面に位置する朱塗りの楼門は南・北廻廊を備えた屋根付きの大きな門ですが、この楼門こそ、秀吉が母である大政所の病気治癒を祈願し、全快した御礼として建立したもの。秀吉は楼門以外にも、応仁の乱で荒廃した伏見稲荷大社の修復に尽力しています。また、伏見稲荷大社の前を走る通りは、元々は秀吉が拓いた伏見街道。彼は後に伏見城を築きますが、伏見稲荷の傍に築城していることからも、信仰の深さを感じ取ることができます。

天狗タイプ/織田信長
「リーダー志向でマイペース」

 天狗タイプの人はリーダー志向があり、独立型。その特徴は自分を持っていて、いい意味でマイペース。思う方向へと人生を切り拓く能力にも秀でています。

  信長は典型的な天狗タイプです。戦国乱世を生き抜いた信長はアイデアと実行力の名手でした。奇襲攻撃で今川義元を討った桶狭間の戦いも、鉄砲を持ち込んだ武田軍との長篠の戦いも、信長の常識に囚われない斬新な発想と行動力があっての勝利でしょう。比叡山焼き討ちなどで神仏を軽んじるイメージがある信長ですが、愛知にある熱田神宮だけは崇拝していました。桶狭間や長篠の戦いで戦勝祈願をしたのも熱田神宮です。特に多勢に無勢だった桶狭間の戦いでは、熱田大神の力を借り、大勝利をおさめたので、信長は御礼として築地塀を奉納し、現在では信長塀と呼ばれています。

 熱田神宮には、三種の神器のひとつである熱田の神剣と呼ばれる草薙剣が祀られています。剣は戦の武具であり、道を切り拓く象徴(タイプ)。つまり、信長を導いたように、勝運・開運のご利益がある神社なのです。熱田神宮は武士タイプの神社で、信長は天狗タイプですが、大敵今川義元の軍勢を打ち破るには、武士たちを味方につける必要があったのです。そのため、武士タイプである熱田神宮を崇敬しました。