「やる気を出すには、あるコツがあります」
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)

「どうしてもやる気が出てきません」を解決するたった1つの方法Photo: Adobe Stock

やる気スイッチを入れるには?

「どうしても仕事にやる気が出ない」

 そんな悩みがあるのではないでしょうか。

 休み明けには、なかなかスイッチが入らないかもしれません。

 そこで、やる気を生み出すための「たった1つのコツ」を教えようと思います。

やる気は自然に湧かないもの

 よく言われているように、やる気とは湧いてくるものではなく、行動によって後からついてくるものです。

 勉強や仕事などを始める前に、やる気が自然に湧いて来るまで待とうとする人がいます。
 しかし、残念ながら「やる気」や「モチベーション」が自然に湧いてくることはほとんどありません

 人間は怠けたり、現状維持が大好きな生き物です。

 何もしなくていいのであれば、一生懸命に怠けようとしてしまうものです。

「これ」を用意しよう

 そんな怠けたいという生理的な欲求を跳ね除けて、やる気を出して行動を起こすには、「小さなご褒美」を用意することです。

 作業を始める前に、

「コーヒーを飲んでタスクを確認する」
「好きな音楽を聴きながら軽い仕事をする」

 というように、五感を満たしてちょっとだけ自分を満足させるのがおすすめです。

 そんな小さなルーティンを自分の中で作り、作業を始めるためのハードルを下げましょう。
 そして、徐々にエンジンをかけていくことでやる気が徐々に湧き上がっていくのです。

気づいたら「やる気」が出ているもの

 また、なかなかやる気が出ない人は、「最初につらくてやりたくないこと」から手をつけがちです。

 飲み物や音楽など、五感を満たしてくれて少し元気になるようなご褒美を用意することから始めてください。

 そして、その日に最も簡単にできる作業からタスクをこなしましょう。

 階段を上がっていくように、徐々にハードルを上げていけば、気づいたら、やる気が出ているでしょう

(本稿は、頭んなか「メンヘラなとき」があります。より一部を抜粋・編集したものです)

精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医。
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。