【其の壱 死ぬべからず】

 100歳までハッピーに生きるためには、当然ですが、まずは死なないことが大事です。つまり、死亡リスクとなるような行いを改め、減らすのです。

 厚労省が毎年公表する「人口動態統計」によると、2022年には約160万人の人が亡くなっています。死因としては、断然の第1位が「がん」(24.6%)です。第2位は「心筋梗塞」(14.8%)、第3位は「老衰」(11.4%)、以下、「肺炎」(8.3%)、「脳梗塞」(6.8%)、「認知症」(3.2%)、「不慮の事故」(2.8%)、「腎不全」(2.0%)と続きます。

 明らかなのは、普通の人は生活習慣病が原因で人生を終えるという事実です。となれば、健康的なライフスタイルの主要構成要素である「睡眠・食事・運動・入浴・生きがい」などに気を付けましょう!ということになるのですが、具体的なことは、長くなるので読者プレゼントに譲ります。

【其の弐 呆けるべからず ⇒ アタマとカラダとココロを鍛える】

 現代日本において、高齢者の最大リスクは認知症です。認知症になってしまうと、自分の人生のかじ取りを他者に委ねざるを得なくなります。主治医、ケアマネジャー、成年後見人、望まない親族……。親しくもない人に自分の人生を決められてしまうのでは、長生きしても楽しくないし、むなしいですよね。それが嫌だったら、認知症予防を実践するしかありません。其の弐~其の九までを読んで、できることから取り組んでみてください。

 MCI(早期認知症)の人まで含めれば、国民の10人にひとりが認知症という時代です。認知症予防については、脳の萎縮を鈍化させ、足腰の筋力を維持し、ウキウキワクワク・ハラハラドキドキ、胸を躍らせることが有効だと分かっています。

 脳の萎縮を防ぐには、頭を使うことで脳を刺激し、成長ホルモンの分泌をさせる。そのためには、惰性で漢字の書き取りや計算問題をこなしてもダメで、楽しく面白く学ぶことが大切です。私がおすすめしているものに、「漢字や年号の語呂合わせ」、「回文」、「好きな歌を歌詞を見ずに歌う」などがあります。

 足腰の筋力低下を防ぐのも大切です。何といっても散策することが一番ですが、その他意識的に行うエクササイズとして、「ストレッチ・スクワット・スキップ」をおすすめしています。

 胸を躍らせるというのは、心の中の情緒の畑を枯らさないということです。ときめいたりきらめいたりするような心理状態を意識してつくりましょう。代表的なのは、ギャンブルや恋愛や趣味サークルなどです。私の周りには、パチンコ同好会を作った人、某歌手の追っかけを始めた人、現役時代のキャリアを活かして商工会議所で講演を行った人などがいます。素晴らしい!