GPIFは国民年金と厚生年金の積立金を管理・運用する世界最大規模の運用機関だ。公的年金という国民の大事な資産を長い期間にわたって安定的に増えるように運用しなければならない。リスクをできるだけ低く抑えながら資産を運用するという意味で、個人にとっても大いに役立つはずだ。
GPIFが預かる運用資産は、国内債券、外国債券、国内株式、外国株式にそれぞれ4分の1ずつ割り振られている。
「例えば、現在好調な米国株を狙う投資家は多い。金融庁のつみたて投資枠の対象商品にも、米国株を対象とした商品はたくさんあります。ただし、確かに今は好調かもしれませんが、この先も続くとは限りません。GPIFのように、米国だけでなく、ほかの国や地域を、株式だけでなく、債券などほかの資産を組み入れ対象としたものをお勧めします」(森本さん)
長く投資するなら「バランス型」「全世界型」がキーワードだという。さらに、好不調や投資テーマといった、はやりすたりに左右されるのを避けるため、5年や10年といった長期の運用実績も確認する必要がある。
次に気を付けたいのは、金融機関よりも商品選びを優先すべきである点だ。NISAは一人につき一つしか口座を開けない。そのため森本さんは、ほしい商品を探すことから始めるべきだという。
「知名度が高かったり、なじみがあったりする金融機関に決めようとしがちですが、品ぞろえは銀行よりも証券、大手証券よりもネット証券の方が多い。せっかく口座を開いても、いざ買いたい商品がなければ意味がありません。まずは金融機関選びよりも、買いたい商品は何かを考えるべきです」(同)