“2024年問題”迫る物流業界でも、「値上げラッシュ」で荷動き低調な業種とは?Photo:PIXTA

冷蔵倉庫の業界団体トップが、「いまだに低調な入出庫で在庫水準は高いレベルにある」と発言した。その理由とは?(カーゴニュース編集部)

*本記事はカーゴニュースからの転載です。

値上げなどによる個人消費の低迷
食材の消費はそれほど伸びていない

 日本冷蔵倉庫協会(浜田晋吾会長)は8日、年末記者会見を開催し、浜田会長、田中一範総務委員長、西川公人業務委員長、梅澤一彦環境・安全委員長、大石龍司税制補助金特別委員長、土屋知省理事長が登壇し、冷蔵倉庫の現況と課題、協会活動を報告した。

“2024年問題”迫る物流業界でも、「値上げラッシュ」で荷動き低調な業種とは?浜田晋吾会長 写真提供:カーゴニュース

 浜田会長は、食品の値上げなどによる個人消費の低迷に言及したうえで「インバウンドはコロナ前の状態に戻りつつあるようだが、食材の消費はそれほど伸びていないように感じる。コロナ後に伸びるだろうと予想していた出庫はそれほど伸びず、一方で為替の影響もあるのか、各荷主は国内在庫の消化を優先したようで出庫も少ない状況。庫腹については、夏以降、満庫状態はピークアウトし、少し余裕が出てきた倉庫もあるようだ。ただ、いまだに低調な入出庫で在庫水準は高いレベルにある」と報告した。

 また、「2024年問題」に関連し、「当協会としても政府のガイドラインに沿って、物流の適正化・生産性向上等に向けた業界の自主行動計画を年内に作成し、公表する予定としている。政治は物流効率化のための税制の特例措置、補正予算による補助金などを用意しており、それらを活用して冷蔵倉庫の建て替え、設備・機器の導入等に取り組んでいく」とした。