今年もやってきた、1年を振り返る年末。失言がつきものの政治家たちのご発言、2023年はどのようなものがあっただろうか。改めて並べてみると、耳を疑うようなものばかり。あなたの胸に刺さった「失言」はどれだろうか。(フリーライター 鎌田和歌)
1年を振り返る上で欠かせないのが政治家の失言だ。その年がどんな年だったのか改めて考える良いきっかけにもなる。言葉が商売である代議士のセンセイたちは、たびたびメディアの前でホンネを漏らしてしまう。そしてそれが、普段の行い以上に人となりを感じさせるから面白い。早速今年の失言を振り返ってみよう。(※各見出しの肩書は当時のもの)
「女性議員は割と発言しない人が多い」
桜田義孝・元五輪相(11月1日)
猪口邦子参議院議員の政治資金パーティーで、「猪口議員は男の人より発言が多い」と、持ち上げる意図で述べられた発言。
すぐに思い出すのが、森喜朗氏の「女性がたくさん入っている会議は時間がかかる」(2021年2月)だろう。女性は話が長いのか、それとも発言しないのかどっちなんだいと言いたくなる。すぐに「女性は」とひとくくりにしてしまう森氏や桜田氏にありがちな傾向に問題がある。
女性の発言が少ない(あるいは話が長く感じられて鬱陶しい)のであれば、そのように決めつけられることが女性の発言を少なくさせたり、あるいは過度に説明せざるを得ない状況を招いたりしているとは考えないのだろうか。
桜田氏は昨年7月にも街頭演説で少子化問題や若者世代の未婚化をめぐり「女性はもっと男の人に寛大になっていただけたらありがたい」と述べ、その見識の古臭さを露呈させてしまっている。
また、今回の失言があったパーティーで桜田氏は「失言をしたことはない。本当のことを言うと『失言』と(周囲が)言う」と重ねたと報道されており、これも森喜朗氏の「女の人はよくしゃべると言っただけだ。本当の話をするので叱られる」(2022年6月)と相似している。
彼らの発言力がもう少し弱まれば、高齢男性政治家以外の多様な皆さんがもっと生き生きと発言できるのではないかと思わざるを得ない。