過信は禁物、AIだってミスをする

 2023年12月の時点で、無料で利用できる「ChatGPT 3.5」は、しばしばミスを犯す。

 例えば、僕が編集長を務める学習用英字新聞『The Japan Times Alpha』には、ミスを含んだ英語の一文を載せ、どこが間違っているのかを読者に考えてもらうクイズコーナーがある。

 先日、試しにChatGPTに出題予定の英文をチェックしてもらったところ、「間違いのない英文だ」との答えが。

 それでは問題として成立しない。

「でも、この場合、前置詞はofじゃなくてforの方が一般的じゃない?」と聞いたところ、「君の言う通りだ、見落としていて申し訳ない」と謝罪された。

 少なくとも、現在においては、まだ完璧な存在というわけではないようだ。

AIに翻訳丸投げは危険

 また、AIへの「丸投げ」も危険。指示を与えれば英語のメールも書いてくれるが、これを利用するには、提示されたメールの文面を読んで、もしも自分が意図したことと異なる内容が含まれていれば、それに気づけるくらいの英語力は最低限必要だ(実際に、そうしたことはよくある)。

 何も考えずに送信ボタンを押してしまうと、思わぬ誤解を生じかねない。

 AIはあくまでアシスタントだ。過信したり、何でも丸投げしたりするのではなく、賢く利用することが大切。そのためには、ある程度の英語力は必要になってくるというわけだ。