ミニバンでも“レクサスらしさをしっかりと備えた”高級サルーン
インテリアは豪華でラフジュアリー。注目は後席空間。専用のキャプテンシートに48インチの大画面モニター、そしてパーティションと豪華絢爛。まさに“動くパーソナルスペース”という表現がふさわしい。パワートレーンは、フロントの2.4Lターボ(パラレルハイブリッド)と、リアのeアクスルの組み合わせ。システム出力は349psで、車両重量2.5tを感じさせない余裕の動力性能の持ち主。エンジン回転を上げなくてもグイグイと大柄なボディを引っ張る。加えて、音振対策は入念に行なわれ、よほどの全開走行をしない限りエンジンの存在をほぼ感じさせない。
フットワークはショーファーカーながらもTNGA+レクサス専用設計による基本性能の大幅レベルアップと“ダイレクト4”を活用した駆動力制御が相まって、ミニバンの腰高感は少ない。より自然、より素直なコーナリングが可能だ。スポーツ・ドライブモードを選ぶと思いのほかアクティブで心地よい走りが楽しめた。乗り心地のよさと静粛性はフラッグシップのLSを超えており、リアコンフォート・ドライブモードでの後席は“極楽”のひと言。後席インプレッション中に寝そうになったほどだ(笑)。
LMについて、多くの人は「アルヴェルと何が違うの?」と気にしているようだが、見た目はもちろん、走りに関しても他のレクサスモデルと共通性が高い。つまり、ミニバンでも“レクサスらしさをしっかりと備えた”高級サルーンになっている。ゆえに、心配なのは本当のフラッグシップLSの存在価値だろう……。