「つい離婚のことを考えてしまいませんか?」
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)

「結婚生活がつらいです…」→精神科医が出した“アドバイス”とは?Photo: Adobe Stock

「離婚」を考えてしまう人

 あなたは、「夫婦関係」の悩みがないでしょうか?

 結婚後に価値観が合わないことに気づいてしまい、一緒に生活することが苦痛で「離婚」を考えることがあるかもしれません。

 しかし、子どもがいたりすると、そんなに簡単に決断もできませんよね。

 そんな悩みとの向き合い方をお伝えしましょう。

何で決断をすればいいのか?

 夫や妻との関係に悩むようになった背景には、あなたがこれまでに感じた「精神的な負担・苦痛」があるかもしれません。

 積もり積もった苦痛というものはなかなか受け入れがたく、関係を続けるにしても、やめるにしても、とても悩ましいものでしょう。

 どちらがよいか悩むような人生最大の問題は、往々にして「確実な答え」というものは存在しません

 関係を続けても、別れても、いずれにしてもメリットもデメリットもあるような状況で、だからこそ、どちらがよいか「悩む」という脳の機能が働いてしまうのです。

 もし最初から答えがわかりきっていて、メリットが大きいとわかっているような選択であれば、「悩む」という機能そのものが働かないですからね。

 そんな重要な決断を抱えているときには、「どちらのほうがより自分がラクになるか」で考えてもいいと私は考えています。

意識をクリアにしてから考えよう

 ここで重要なのは「よりラクになれる選択」をおこなうことであって、決して「安易な選択」をあなたに進めているのではありません

 人間はつらいときこそ安易な選択をしようとするものですが、安易な選択によって必ずしもラクになれるとは限りません

 別れるにしても、このままでいるにしても、いずれの選択肢にも、それぞれのメリットとデメリットがあります。
 なので、これらからのあなた自身の人生がどうすればラクになるか、「パートナーと暮らし続ける苦痛」「子どもを相手と離れさせる苦痛」、それらを両方考えた上で最後は「直感」などにしたがって決断してしまってもよいかと思います。

 あなたの人生はあなただけのもので、誰もあなたの選択に責任は負ってくれません
 それでも心理的、身体的に負担が減って将来的にラクな生活に近づくような選択ができるのであれば、それをすることをおすすめします。

 もし悩みすぎてつらいようなら、いったん家庭から離れて運動をしたり、手足を使うような趣味を楽しむようにすると意識がクリアになり選択がしやすくなると思います。

(本稿は、頭んなか「メンヘラなとき」があります。の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです)

精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医。
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。