「うまい断り方を身につけましょう」
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)
断ることが苦手な人
あなたは、「断ること」が得意でしょうか。
日本では、なかなか「NO」が言えないことが多いですよね。
つい、曖昧な返事をしてしまって、自分を苦しめてしまう人が多いのです。
私の元にも、「子どものママ友からお誘いが増えて、なかなか断りにくいです……」というような悩みがよくきます。
どのような断り方を身につければいいのでしょうか。
何より優先すべきもの
まずは「自分を大事にする」ということです。
人間関係に疲れるのは、たいていが、距離感を誤っているときです。
親族であっても友人でも、あくまで他人で考え方や価値観にもギャップがあります。
それにもかかわらず、私生活を犠牲にして他人に合わせようとすると、関係性に「摩擦」が生じ、自分の時間が犠牲になっていると感じたり、苦痛を感じてしまいます。
そのような「摩擦」を感じる場合には、その人との距離感が近すぎるのかもしれません。
いい断り方とは何か?
誘いを断ることで、「子どもがいじめられるかもしれない」と思うようなことは、おそらく杞憂です。
それよりも、ママ友との人間関係でお母さんが苦しそうにしているのを見るほうがつらいはずです。
断るときには、「どうしてもやりたいことがあって難しいです」と、前向きな理由で断ることがおすすめです。
つい、代替案を出したり、体の体調のことを持ち出して断る人が多いのですが、そうすると後々自分を責めたくなってしまうんですよね。
そうではなく、前向きに、「他にやりたいことがあるから断る」という姿勢を持ち続けてください。
自分の都合を優先して、少しずつ断ることに慣れていきましょう。
(本稿は、『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです)
精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医。
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。