株主優待狙いの投資は人気の手法の一つです。さっそうと自転車で移動し食事や買い物を楽しむ桐谷広人さんを目指すまではいかずとも、新NISAの成長投資枠で株主優待株に挑戦するのもアリでしょう。ただし、新NISAが始まる前にすでに優待株を持っている人は注意点も! ザイの新NISA本の決定版『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った新NISA入門』から、新NISAで優待株を買う時の注意点を紹介します。
人気優待株は株価が下落しても反発が速い
いい銘柄なら新NISAで長期保有もアリ!
優待株とは、株主になると食事券やサービス券、食品、グッズなどが定期的にもらえる銘柄のこと。優待をもらっていれば、株価の多少の下落は許容でき、気長に上昇を待つことができるというメリットも。また、人気優待株は買いたい人が多く、一時的な要因で株価が下がっても、すぐに反発しやすい特長もあります。
ただし、気をつけなければならないのは、業績悪化が続くと優待廃止となり、株価が急落してしまうこと。優待の魅力だけに注目せず、業績の良し悪しは、買う前も買ってからも必ずチェックしましょう。
また、こうした株価下落のダメージを大きくしないためにも、少額で投資して業種を分散させましょう。優待は配当とは違い原則として株数には比例しません。1単元の100株保有がオトクなことが多いので、1銘柄に集中投資は不要です。
新NISAで買う前や同じ日に売ると株主番号が変更に
同じ銘柄を新NISAで買ってから売却を!
優待株の中で増えているのが、株を長期に継続保有することで優待の内容が充実する優待株です。投資家が株を長期保有することを目的に、企業は長期保有優遇制度を導入しています。
たとえば、KDDI(9433)は、優待のカタログギフトなどの内容が、100株で5年未満の保有では3000円相当ですが、100株で5年以上保有を継続すると5000円相当にアップします。
ただし、新NISA以外で、すでにこの長期優遇がある優待株を保有していて、新NISAに銘柄を移したい人には注意点が!
長期保有優遇を継続するには、新NISA口座で同じ株を買ってから、1営業日以上後に元の保有株を売却すること。新NISAで買う前や同じ日に売ると、株主番号が変更になり長期保有の条件がいったん途切れてしまうからです。せっかく継続保有してきたなら、新NISAでも続けたいもの。買うタイミングを注意しましょう。
※本稿は、ダイヤモンド・ザイ編集部編『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った新NISA入門』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。