「とっさの質問にうまく答えられない」「『で、結局、何が言いたいの?』と言われる」「話し方やプレゼンの本を読んでも上達しない」……。そんな悩みを持つ方は、言語化の3要素である「語彙力」「具体化力」「伝達力」どれかが欠けていると指摘するのは、文章や話し方の専門家であり言語化のプロである山口拓朗氏。本連載では、山口氏による話題の最新刊「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」の中から、知っているだけで「言語化」が見違えるほど上達するコツをご紹介していきます。
伝えたいことを表現できない原因は?
「情報や事実をヌケモレなく伝えることはある程度できるけど、自分の意見や感想を伝えるのが苦手」という方は多いです。伝えたいことはあるのに、モヤモヤしてうまく表せなかったり、「面白い」「すばらしい」「悲しい」などのざっくりとした感想だけで終わってしまったり。
どうしてそうなってしまうのでしょうか? まずは、原因を整理しておきましょう。
「具体化」で気持ちの芽を育む
「意見・感想」を言語化できない原因は主に3つあります。
① 意見や感想はあるが、色々な視点や考え方が複雑に絡まって、
自分でも正体をつかめなくなっている
② 思考を深めていない(思考が浅い)
③ 思考の幅を広げていない(思考が狭い)
「なんとなくモヤモヤする」という方は①であることが多いです。このタイプは、絡まった糸をほぐすように、思考を分解していくことが大事です。
②③は、「何も思いつかない」「ぱっと出てこない」という方に多い原因です。ご安心ください。人間ですから必ずどこかに考えや気持ちの「芽」があるはず。その芽に水をやりながら、しっかりふくらませていくことが大切です。本書では、「具体化」や「思考のものさし」によって、その芽をふくらませていくためのシンプルな方法を説明しています。
*本記事は、山口拓朗著「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」から、抜粋・編集してまとめたものです。