今年は、生活防衛資金を
取り崩してでも新NISAに注力
1月の面談時には、すでに夫はNISAを月に10万円、iDeCoはそのまま2万円。妻はNISAに月5万円、iDeCoは月1万円。合計18万円も投資に充てていました。収入は変わらないのに、昨年から11万円も投資額を増やしたので、収入からは出せない覚悟。1月分は冬のボーナスから捻出できたので生活費に影響はありませんでしたが、2月分からは生活防衛資金から取り崩して投資していくつもりだと話します。
聞くと「いつでも引き出せるし、枠も復活する。預貯金で現金を持っている必要性を感じない」という理由。生活防衛資金も、現金ではなく投資で持つほうが有利ではないかと考えたのだそうです。
Aさんのご家庭の生活防衛資金は約220万円。家計から拠出できない11万円をここから出すと、1年8カ月で現金がなくなる予定です。途中、ボーナスからも投資に充てるとしても、2年は続かない。そしてそのうちに現金が必要な事態が起きてしまえば、積み立てはじめたばかりでまだ増えていない、もしかすると元本割れしているかもしれないNISAから引き出すか、枠が復活することがない、昨年まで積み立てて育ててきた旧NISAである「つみたてNISA」を崩して対応するしかありません。
その時の相場次第では、期待するような金額にならない可能性もありますし、現金を手にするには数日の時間が必要となります。現金の準備はどうにかできるとは言えますが、緊急度などによっては非常に焦る結果にもなりかねません。
Aさんには春には小学生になる息子さんと、3歳の娘さんがいます。お子さんのため、生活の安定のためにも、生活防衛資金は必ず保有していてほしいと伝えました。