「面倒くさい」は効率化の母であり
一番の原動力でもある
クラウドのスキルを身に付けた藤本さん。次なる目標は?
「社内の面倒くさい仕事を、どんどん効率化していきたいです。ChatGPTを使って会議音声を文字起こしして要約するツールを作ったのも、議事録を作って上司に要点を報告し、フィードバックをもらうという一連のプロセスを抜本的に効率化したかったから。面倒くさいと感じるのは決して悪いことではなく、効率化の一番の原動力だと思うんです。みんなもっと、面倒くさいって思えばいいのに(笑)」
ビジネスパーソンの毎日は、時間との闘いだ。時間をつくるには、仕事を速くするか、精度を上げるか、要・不要を見極めてやめるかしかない。だからこそ、藤本さんはそこにメスを入れる。仲間のためでもあり、自分のためでもある。いつの間にか小学生の頃の夢が、ちょっと違ったかたちで叶っていたみたいだ。
戦略的に時間をつくった結果、
思ってもいなかったキャリアにつながった
学生時代は植物を研究し、社会人生活は営業8年と、IT未経験の藤本さん。私生活ではお子さんが2人いて、自分のために使える時間はほぼない状況。ただ、潜在的な「学びたい」という気持ちや、「このままでは駄目なんじゃないか」という危機感をずっと持っていたと話す。
藤本さんと同じような状況の人は多いのではないだろうか。会社を飛び出して尊敬できる人たちと出会い、具体的な目標を持ち、自分が本当にやりたかったことに気付く……こうした一つ一つの積み重ねが、長い間くすぶっていた藤本さんの学習意欲に火を付け、戦略的に時間を作っていった結果、思ってもみなかったキャリアを切り開くに至った。
今回の記事で伝えたかったのは、まず藤本さんという素敵な人がいるということ。前向きで、周囲を引き上げていくバイタリティーがあり、自分のキャリアやスキルアップに主体性を持っている。こうした藤本さんの経験を通し、「私もいろいろ忙しいけど、参考にして頑張ってみようかな」と思ってくれる人が一人でも増えたらいいなと思っている。