変化が激しく先行き不透明の時代には、私たち一人ひとりの働き方にもバージョンアップが求められる。必要なのは、答えのない時代に素早く成果を出す仕事のやり方。それがアジャイル仕事術である。『超速で成果を出す アジャイル仕事術』(ダイヤモンド社)は、経営共創基盤グループ会長 冨山和彦氏、『地頭力を鍛える』著者 細谷 功氏の2人がW推薦する注目の書。著者は、経営共創基盤(IGPI)共同経営者(パートナー)でIGPIシンガポール取締役CEOを務める坂田幸樹氏。業界という壁がこわれ、ルーチン業務が減り、プロジェクト単位の仕事が圧倒的に増えていくこれからの時代。組織に依存するのではなく、私たち一人ひとりが自立(自律)した真のプロフェッショナルになることが求められる。本連載の特別編として書下ろしの記事をお届けする。

「部下が考えない組織」に共通する3つの特徴Photo: Adobe Stock

①制度過多による創造性の喪失

 皆さんの組織では「パーパス」「エンゲージメント」「ジョブ型人事制度」「DX」などが経営陣や経営企画部門によって取り入れられ、それに伴って多くの制度や手続きが増えていないでしょうか。

 現代の組織において、過度な制度と手続きは創造性と自発性を奪います。細かいルールに縛られることで、従業員は自ら考え行動する力を失い、組織は内向きになりがちです。このような環境は、革新的なアイデアや解決策の生み出しにくさを招きます。

②明確なビジョンの欠如と目標への追従

 明確なビジョンの欠如は、従業員が日々の業務に追われる原因となります。そして、目標が不明瞭であることで、長期的な成果への貢献や個人の成長が見過ごされがちです。これにより組織の総合的なパフォーマンスは低下し、個々の従業員のモチベーションも下がります。

③会議の多さと非効率性

 頻繁に会議が行われるものの決定には至らないということは、多くの企業にみられる一般的な問題です。このような会議は時間とリソースの浪費であり、重要な意思決定が遅れる原因となります。結果として、プロジェクトの進行が停滞し、組織の生産性はさらに低下します。

アジャイル仕事術による解決策

 アジャイル仕事術の採用により、これらの問題に対処することが可能です。

 柔軟で迅速な意思決定プロセスを通じて従業員が自ら考え行動する文化を促進すると同時に、明確なビジョンと目標を設定し、各個人がそれに向けて貢献できるような環境を整えます。会議の効率化と目的の明確化も重要であり、実行可能なアクションプランに焦点を当てることが求められます。

 アジャイル仕事術を取り入れることで、組織はより外向きに変わり、従業員の創造性と自発性の向上が期待できます。これにより、組織全体の生産性と革新性を高め、持続可能な成長を実現することができるでしょう。

坂田幸樹(さかた・こうき)
株式会社経営共創基盤(IGPI)共同経営者(パートナー)、IGPIシンガポール取締役CEO
早稲田大学政治経済学部卒、IEビジネススクール経営学修士(MBA)
大学卒業後、キャップジェミニ・アーンスト&ヤングに入社。その後、日本コカ・コーラ、リヴァンプなどを経て、経営共創基盤(IGPI)に入社。現在はシンガポールを拠点として日本企業や現地企業、政府機関向けのプロジェクトに従事。細谷功氏との共著書に『構想力が劇的に高まる アーキテクト思考』(ダイヤモンド社)がある。『超速で成果を出す アジャイル仕事術』(ダイヤモンド社)が初の単著。